今回、ロケに挑んだメンバー4人はAIと対照的な“人間らしい”爪痕を残している。象徴的なのが、「CoCo壱カレートッピングカスタム対決」に挑んだ猪俣周杜。ジャッジするのは日本体育大学の女子学生たちだが、トッピングの一つに「旨辛にんにく」を選んでいる。
AIは「大勢の女性が審査員ならニンニクは避けた方が無難」と判断したが、猪俣は、実際に食べたことで、「この旨辛にんにくは意外と匂いが残らない」と気づき、その体感をもとに選択したのだ。水野氏は、最初の対決で猪俣が今回の企画の“軸”を表してくれたことに感謝した。
「冷蔵庫の中身で料理対決」に挑んだ原嘉孝も同様。味見を繰り返して微調整してより良いものを求めるのは、人間だからこその行動だ。AIが導き出した答えを、実地の感覚で上回っていく、その“頑張りどころ”を、メンバーたちがしっかり見せてくれた。
橋本将生が、その人柄を見せたのは「誕生日プレゼント対決」。水野氏はtimeleszの公演に行った際、家族が見に来ていることを話していた姿が印象に残っており、“真心”の部分が垣間見えたら理想的だと思ったそう。実際に会ったことのないアンミカや片岡愛之助への贈り物を真剣に悩む姿が映し出された。
そして、「ファッションコーディネート対決」に挑んだ篠塚大輝が、ロケ後に毎回、率先して店舗に戻って「ありがとうございました」とお礼を伝えていたことも明かした。
ロケ以外の時間も悩み続けた彼らの頑張りのおかげで、水野氏は、スタジオ収録前の段階で「番組として必要な要素が、想定以上に積み上がっている」と手応えを感じた。「新番組のロケ前って全部“机上の空論”じゃないですか。だから、メンバーそれぞれが一人ロケに出て、ディレクターと会話しながらVTRを作り上げてくれた感覚。つまり、番組の最初の最初を作ってくれているのが、あの4人なんです」と信頼を寄せた。
“テレビ的な寄り道”はしていられない
“反タイパバラエティ”を掲げているが、厳密には、彼らは決してタイパが悪いことをしているわけではない。
「いろんな選択肢の中から、AIに勝つための最適解を選んでも、結果として時間がかかるお題に挑んでくれているんです。“テレビ的にやっときましょう”みたいなくだりは全くないです」と強調する。
誕生日プレゼントを選ぶ時に、街頭アンケートを取れば画変わりはするが、それがアンミカや片岡愛之助を喜ばせるための最適な行動ではない。「自分の中で悩む、親しい人に聞く、実際に見て触れて考える…そうしたプロセスの積み重ねしか視聴者は見てくれないし、人間がAIに勝つには“テレビ的な寄り道”はしていられない」と言い切る。
その頑張りをできるだけ長い尺で見せたいところだが、テレビ番組もタイパが好まれる時代。そこで、編集では一つ一つのカットにこだわった。
「アウトレットを8時間、1万8000歩を費やしてくれた篠塚さんの頑張りを、いかに少ない秒数の中で伝えきるか。ディレクターは、ワンカット、ワンカットを丁寧に選びました。 “頑張っている時間の総量が多い番組”を作るには、出演者が前向きになってくれるように、スタッフがそれ以上にもがかないといけない。timeleszのみなさんに頑張ってもらうということは、スタッフがひたすら愚直に“反タイパ”で作る番組なんです。出演者もスタッフも、すごくいいチームに出会えたと思います」

