• 石田ゆり子が見つけた具合の悪そうにしていた猫 (C)NHK

    石田ゆり子が見つけた具合の悪そうにしていた猫 (C)NHK

今回の番組で印象的な場面の一つが、具合の悪そうな猫に出会った時のこと。その日は、イスタンブールにある“猫の家”や“猫マンション”を見に行くはずだったが、石田はその猫を見つけて、「この子を放って、この先の撮影を続けることはできない」と強く希望した。

山田氏も「撮影のスケジュールよりも、この子を助けるほうが私たちの本当のやることじゃないかと思いました」と、石田の気持ちを受け止めるが、近くで診てくれる病院も分からない。

時間が夕方に近づく中、石田は「今日中に病院が見つからなかったら、段ボールでも何でも用意して、私の(ホテルの)部屋に泊める!」とまで志願したが、これまでイギリス、台湾の旅も同行してきたスタッフのチームが石田の思いに応え、病院を見つけ出し、運ぶためのゲージを購入し、運良く診察を受けることができた。

その医師は撮影にも理解を示してくれた上、保護活動を積極的にしていることが分かり、取材が思いがけず広がっていくことにもなったのだ。

今回の旅では他にも、街で傷ついた犬を見つけ、「この子を助けなければ」と石田が立ち止まる場面が発生。イギリスや台湾では、路上でケガをした動物に出会うことはほとんどなかったが、トルコならではのハプニングだったようだ。

  • イスタンブールの街角で出会った猫 (C)NHK

    イスタンブールの街角で出会った猫 (C)NHK

シャツがビリビリに破られても「やられた(笑)」

番組を見て伝わってくるのは、常に素をさらけ出す石田の姿。バラエティでゲスト出演する際の奥ゆかしい様子とは全く違い、かわいい犬猫にとびきりの笑顔を見せ、傷ついていれば深く悲しむ。

そして現地では一流俳優と気づかれることもなく、「犬猫好きで手伝ってくれる人」という存在に。ラフな格好でいることもあり、保護施設のスタッフが「ちょっとここ押さえてて」と気軽に頼み、石田もそれに自然と応じるのだ。

以前、台湾の猫村で餌やりをしていると、後から来たスタッフに“新しいスタッフ”だと勘違いされたこともあったが、本人は特別扱いされなかったことを「うれしかった」と喜んでいたという。

今回のロケで山田氏が、石田の動物愛を「本物だ」と再確認したのが、愛護団体の施設を訪れた際のこと。そこには膨大な数の野良犬が保護されており、中に入ると大型のゴールデンレトリバーたちが一斉に寄って飛びかかってきた。普通なら少し怖さを感じるほどの状況だが、石田は全くひるむことなく、一匹ずつに「みんなおいで」「寂しかったね」「ごめんね、ごめんね」と声をかけていた。

  • ゴールデンレトリバーに囲まれる石田ゆり子 (C)NHK

    ゴールデンレトリバーに囲まれる石田ゆり子 (C)NHK

この施設のロケでは、石田の服装が途中から変わっていくが、それは衣装替えではない。

「犬に飛びつかれて服がドロドロになるので、着替えたんです。しかもシャツは1枚、背中から犬にビリビリにされちゃって。でも“やられた(笑)”って笑ってましたね」

ここでは犬や猫に餌をあげる手伝いをする予定だったが、現場では巨大な鍋で餌を作る作業に取り組むことに。山田氏は「いくらなんでも危ない」と思っていたが、当の本人は自ら進んで、喜びながら鍋をかき回していたという。

しかも、その日は石田の誕生日。山田氏は、有名俳優の誕生日にトルコの施設で犬の餌を作らせてしまっていることに、少し申し訳なさを感じたそうだが、やはり本人は「かえって記念になって良かった」とニコニコしていたそうだ。

  • 餌を作る巨大鍋 (C)NHK

    餌を作る巨大鍋 (C)NHK

石田は自分のことを、あのムツゴロウさんをもじって“ゆりごろう”と呼ぶことがあるだけに、その愛情は犬猫にとどまらない。

「馬やヤギにもすぐ“こんにちは”と言って触るんです。それで今まで噛まれたりとか、ひどい目に遭ったこと一回もなくて、彼女にはみんな懐くんです」

番組の中で、石田は猫の保護活動をしている人たちに、「あなたの雰囲気はとても穏やかだから、猫が膝を離れませんね」「温和なエネルギーを動物たちはすぐに感じ取る」と言わるシーンがある。彼女の中には、動物が心を開く不思議な力が宿っているのかもしれない。