• 小島よしお

自身の弱さを痛感したのは、他ならぬ芸能界という戦場に出てからだった。テレビに出始め、MCやバラエティのひな壇で活躍する未来を夢見ていた若き日の小島。しかし、そこで目の当たりにしたのは、圧倒的な才能を持つ「本物の強者」たちだった。

「芸人になってすぐのときは、『芸能界入って、これからMCとかバラエティとかガンガン出てやるぜ』みたいな感じだったのですが、いざ戦場に行ったら全然手が出ない。毎回先輩に助けてもらうことを繰り返していく中で、『あれ、ちょっと自分の思っていたのと違うな』みたいに感じるようになったんです。特に『クイズ!ヘキサゴン』などの番組で、とんでもない先輩たちに囲まれた時『この人たちと同じ土俵で戦っても勝てない』『真正面からぶつかっても手が出ない』と痛感しました。自分の思い描いていたビジョンと現実の適性は違っていたんです」

しかし小島はその感情をあまりネガティブに考えなかった。向き不向きをしっかり考え、苦手なところを削ぎ落としていくことで、進化していこうと発想を変えた。そのとき小島が参考にしたのが、自然界における「雑草」の生き方だった。大きく成長せずとも、日陰でも、あるいは他者の力を利用してでも種を残す。その戦略こそが、子供向けコンテンツや野菜の歌という、当時の芸人があまり足を踏み入れなかったブルーオーシャンへと彼を導いた。

「雑草は植物としては弱い存在です。だからこそ、日陰で生きる術を探したり、虫を利用して種を運ばせたりと、生存戦略を進化させている。僕もそれと同じで、苦手な部分を捨て、誰もいない場所で根を張ることにしました。子供たちに伝えたいのは『頑張れば何でもできる』ではなく、『自分が伸びる場所は必ずあるから、それを探してほしい』ということです」

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父になって学んだ柔軟さ「自分や他人を決めつけてはいけない」

現在、一児の父でもある小島。舞台上で子供たちを熱狂させるテクニックとは裏腹に、実生活での我が子との向き合い方は、慎重かつ柔軟だ。

「舞台では『面白いおじさん』として全開でぶつかりますが、プライベートではグイグイいきません。子供にもその場の空気に慣れる時間が必要ですし、圧が強すぎると引かれてしまいますから」

2歳になる子供の成長は、彼自身の凝り固まった価値観をも解きほぐしていく。昨日嫌いだったものを今日は食べる。その予測不能な変化こそが、人間関係や自分自身への決めつけを排除するきっかけとなった。

「子供は昨日食べなかったブロッコリーを、今日は食べたりします。そんな日々の揺らぎを見て、自分や他人を決めつけてはいけないと学びました。『この人は苦手だ』と思っても、明日は違うかもしれない。その柔軟さは、子育てを通じて大人である僕自身が得たものです」

弱さを認め、戦略を変え、そして父として柔軟さを手に入れた小島。彼が吹き込むクッキー・ボビーの声は、映画館を訪れる親子に、物語以上の深みを持って響くことだろう。最後に小島は「見るたびに新しい発見がある映画です。ぜひ家族みんなで、映画館で楽しんでほしいですね」とメッセージを送ってくれた。

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  • (C)2026 DreamWorks Animation

■小島よしお
1980年11月16生まれ、沖縄県出身。2001年より早稲田大学在学中の5人によるコントグループ「WAGE」のメンバーとして活動し、2006年3月にWAGE活動休止。その後、ピン芸人として活動。2007年「ユーキャン新語・流行語大賞」で持ちギャグ「そんなの関係ねぇ! 」と「おっぱっぴー」の2つが大賞候補にノミネートされる。子供向けライブ、YouTubeチャンネル「小島よしおのおっぱっぴー小学校」「ピーヤの休日【ピーヤTV】」などを通して子供から人気を博している。