星野リゾートは11月4日、「1955 東京ベイ by 星野リゾート」(千葉県浦安市)のパブリックスペース「2nd Room」が10月15日に「2025年度グッドデザイン賞」を受賞したことを発表した。

  • パブリックスペース「2nd Room」

    パブリックスペース「2nd Room」

グッドデザイン賞は、デザインによって暮らしや社会をより良くしていくことを目的とした活動で、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰している。

同ホテルの2nd Roomは、宿泊者が自由に過ごせるパブリックスペース。1955年頃のアメリカで流行していたミッドセンチュリーデザインのテーブルや椅子が並ぶスペースや、靴を脱いで過ごせるリラックススペース、カーテンを引いて半個室として使えるスペースなどがあり、好みの場所でくつろぐことができる。2025年6月に拡張し、新たに、すべり台やビンテージの木馬が目を引く「キッズスペース」と、人気のカーテン付きの半個室が増設された。家族や友人と翌日の作戦会議をしたり、早朝に到着した際にひと休みして出発前の身支度を整えたりと、多様な用途に対応する空間として利用されている。

  • 2nd Room 滞在イメージ

    2nd Room 滞在イメージ

  • 2nd Room キッズスペース

    2nd Room キッズスペース

グッドデザイン賞審査委員は次のように評価している。

「テーマパークホテルのロビーのこの再設計は、ホスピタリティーにおける公共スペースの従来の概念からの大胆な脱却を示している。このプロジェクトでは、オープンスペースと居心地の良いプライベートルームを組み合わせて構成し、ロビーを24時間利用可能な『2nd Room(セカンドルーム)』に変え、テーマパークから帰ってきたゲストにもくつろぎ、集う空間を提供している。

そのコンセプトは、ホテルを単なる休息の場ではなくレジャーの延長線上にあるものとして捉え直し、利便性とムードを融合させている。ディズニーランドが開業した1955年のアメリカのイメージとスピリットを呼び起こすこのデザインは、当時の文化的気運の温かさ、多様性、物語の豊かさを想起させる。

こうすることで、遊び心、快適さ、イマジネーションというブランドの精神を、懐かしさと現代的なライフスタイルのニーズの両方に共鳴する空間形態に組み込んでいる。結果的にホテルの共用スペースは再定義され、ホスピタリティーがテーマパーク体験における永遠の夢のようなクオリティーと調和した」

乃村工藝社のデザイナー岡田愛裕美氏は、設計にあたりデザインに込めた思いについて、次のように述べている。

「"24時間使えるたまり場的な場所を"というご要望に対して、乃村工藝社チーム内でブレストし、東京ディズニーリゾートを目的にグループで泊まられるお客さまが多いので、グループの満足度を上げるような機能を持たせることにしました。

自身の経験から感じたのは、グループで宿泊すると、誰かが先に寝たいとか、1人で休みたいという方が必ずいらっしゃるのです。それならば、客室を寝室に見立て、そういう方は客室で休み、皆でまだお話ししたい人はもうひとつの部屋としてリビングのような場所でくつろげる機能を付ける。グループ旅をより快適にする第2の部屋という意味で2nd Roomという名前を付けご提案しました。

ただの広いラウンジではなく、ゲストのニーズに合わせていくつかのゾーンをつくり、その時の状況や気分によって最適な過ごし方を選べる計画としました。ゲストの方がストレスなく過ごし、快適で素敵な旅になるお手伝いが出来た事、とても嬉しく思っています」