パナソニック コネクトは5日、JR東日本およびJR東日本メカトロニクスと共同で、上越新幹線長岡駅で顔認証改札機の実証実験を11月6日から開始すると発表した。通行時に映像と音響による演出を行う未来型改札機で、スムーズな通行とワクワク感のある改札体験をめざす。

  • 上越新幹線長岡駅で顔認証改札機の実証実験が始まる

    上越新幹線長岡駅で顔認証改札機の実証実験が始まる

JR東日本は「Suica」をより高度なサービスプラットフォームへと進化させる「Suica Renaissance」を推進しており、今回の実証はその一環として、「ウォークスルー改札」の実用化をめざす取組みのひとつとされている。

長岡駅に設置する改札機はパナソニック コネクトが開発したもので、通行時に自然な歩行のまま顔認証が完了するしくみを採用。立ち止まってカメラに顔を近づける必要がなく、荷物を持つ利用者やこども連れの利用者でもスムーズに通過できるという。通過時に筐体内の映像と音響が連動し、側面のLEDディスプレイに新幹線が走る映像が流れるなど、旅の高揚感を演出するしかけも盛り込んだ。新幹線をモチーフにした近未来的なデザインを取り入れ、単なる認証機能にとどまらない「体験型改札」をめざしている。

実証実験は11月6日から始まり、期間は2026年3月31日まで(年末年始の12月25日から1月7日までは除外)。一般利用者は対象とせず、長岡~新潟間の新幹線定期券(「Suica FREX」または「Suica FREXパル」)を利用するモニター参加者を対象とする。同時期に新潟駅でNEC製の顔認証改札機による実証も行う予定としている。

  • 通過すると、側面のLEDディスプレイに新幹線が走る

    通過すると、側面のLEDディスプレイに新幹線が走る

  • 改札機の外観

    改札機の外観

  • 長岡駅の新幹線のりかえ口に顔認証改札機を設置

    長岡駅の新幹線のりかえ口に顔認証改札機を設置

パナソニック コネクトの顔認証技術は、米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証評価で世界1位を獲得しており、メガネやマスク、顔の向きや経年変化にも強い認識精度を持つとされる。現時点で1日220万回を超える認証実績を有し、今回の実証でもその高精度な顔認証と快適なユーザー体験を融合させた改札運用の有効性を検証するとしている。