JR東日本は7日、同社における5方面の新幹線ネットワーク(東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線、山形・秋田新幹線)で共通使用できる、次期秋田新幹線(E6系の後継車)をベースとした専用検測車を2029年度に導入すると発表した。
JR東日本グループは、グループ経営ビジョン「勇翔 2034」で掲げたモビリティ分野における究極の安全を追求するため、AIやDXなどの新技術を活用した新たな新幹線専用検測車を開発し、より安全で安心して利用してもらえる新幹線輸送の実現に取り組んでいるという。
5方面の新幹線ネットワーク(東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線、山形・秋田新幹線)を有し、方面ごとに編成も異なることから、全方面で共通使用できる専用の検測車を2029年度に導入予定とした。新たな新幹線専用検測車の車両形式は「E927形」で、同時に開発を行う次期秋田新幹線(E6系の後継車)をベースとし、最高速度320km/hに対応した新在直通車両とする。
おもな検測装置として、「ALFA-X」で試験開発してきた2次元レーザーによる多点測定を導入した「軌道変位検測装置」(レールの歪みを把握)、カメラで撮影した画像から電車線金具をAIで検知する「電車線金具モニタリング装置」(電車線金具の状態を把握)、スリット光を用いたトロリ線下部形状のカメラ撮影した画像により、トロリ線の断面形状や位置を把握することで摩耗状態等を高精度に検測する「トロリ線状態測定装置」(摩耗、高さ等を把握)を搭載。320km/hでの高速走行における検測に対応するとともに、省人化や遠隔からの無人検測の実現に取り組む。営業車と同様、自動運転導入の検討も進めるとしている。
デザイン(カラーリング)については、JR東日本グループの社員による応募作品の中から選定する予定。デザインの監修はE10系のデザインを手がけているtangerine社が担当する。選定されたデザインを考案した社員とtangerine社が連携し、2026年夏頃をめざして実車に向けた細部のデザインを仕上げていく。

