川崎重工グループの川崎車両は5日、米国現地法人「Kawasaki Rail Car」を通じて、ニューヨーク市交通局(NYCT)から新型地下鉄電車「R268」378両の発注内示を受けたと発表した。2028~2030年にかけて納入を予定している。
「R268」は、同じくNYCT向けに現在生産中の「R211」と同一仕様の車両。5両編成または4両編成とされ、最大10両まで連結できる。ニューヨーク地下鉄の近代化と利用者の継続的な増加、旅客サービス向上計画にともない、既存車両の置換えとして導入する。「R211」と同様、監視カメラの搭載、LED照明とデジタル表示機の採用、混雑時のスムーズな乗降りを考慮した従来より広いドアが特徴。契約金額は約15億米ドル。北米拠点で生産される。
NYCT向けの車両に関して、1982年に「R62」325両を受注して以来、2,900両を超える納入実績があると川崎車両。今回の受注も、長年にわたり北米市場で培ってきた豊富な実績に裏づけられる契約履行能力と、厳しい技術要求への対応力、アフターサービスも含めた顧客価値が高く評価されたものとしており、これまでの強みを発揮し、ニューヨーク地区の公共交通の整備により一層貢献していくとのこと。
