また、タイトルの『ひとりでしにたい』について、高城氏は半年ぐらい悶々と考えていたが、綾瀬の制作発表時のコメント「『ひとりでしにたい』というタイトルは自分らしくありたいという思いを感じました」が腑に落ち、作品のテーマが明確になったと振り返る。

「私は『幸せかどうかは自分で決める』というテーマを考えていましたが、綾瀬さんの『自分らしくありたい』という解釈を聞いて、シンプルで素敵だなと。両方の思いを込めて作っていますが、すごく上手に一言で表現されるなと思いました」

このドラマを通じて高城氏が届けたいメッセージは、「ありのままの自分で生きていい」ということだ。

「自分が幸せだと思うことを頑張ればいい。人を傷つけたり、人に迷惑をかけなければ、自分が楽しいように暮らしていいんだというのが伝わればと思っています」

本作の冒頭で光子の孤独死が描かれたが、1人で生きていて唯一迷惑をかける可能性があるのが孤独死だと高城氏は語る。

「孤独死後の掃除だったり、大家さんに迷惑をかけたり、1人で生きていて唯一人に迷惑をかけてしまうのは、そこなんですよね」

高城氏も「1人で死ぬこと」への怖さを抱いていたものの、3人の息子がいる姉の言葉で考え方が変わったと明かす。

「『うちは子供が3人とも男だから将来そんなに遊びに来てくれないと思う。老人ホームに入った時に、来てくれるはずの息子が来てくれないのと、最初からそういう人がいないのでは、息子がいるのに会いに来てくれない方が寂しくない!?』と言われて、確かにそれもあるなと思ったんです。結婚していても独身でも死ぬ時は多くの場合は1人。それを寂しいと思ったら人生つらいし、怖くなってしまうので、それが当たり前と思うようになりました」

自分らしい生き方を描く本作を制作していく中でも、「自分らしく生きたい」と改めて感じたという。

「鳴海はオタ活を楽しんでいたり、猫を飼っていたり、学芸員という好きなことを仕事にしていて、楽しんで暮らせる環境を作っているというのがすごくいいなと。見てくださっている方も、生きることの不安が減ったり、楽しんで生きようと思ってもらえたらうれしいです」

高城氏も作品から影響を受けて「人生楽しもう」という気持ちが高まり、暗闇ボクシングを始めたという。

「楽しく生きていくためには、まずは元気でいないといけないなと思い、全身鍛えられるスポーツはないかなと思って始めました。私は鳴海ちゃんみたいに推しがいなくてつまらないなと思っていたんですけど、暗闇ボクシングはパフォーマーが10人ぐらいいて、その中から自分の推しのパフォーマーを見つけて今すごく楽しんでいます(笑)」

また、1人で生きていて唯一、人に迷惑をかけてしまうこととして挙げていた孤独死の問題については、「絆を作ること」が大切なのではないかと高城氏は語る。

「鳴海ちゃんは年を取った時が不安だからということで、いろいろな絆について考え始めますが、結婚に縛られることなく1人で楽しく生きていても、友達や地域の人などとのつながりを持っておくことは大事なのではないかなと。私は姪っ子や甥っ子とも仲良くしておこうと思っています(笑)」