現在放送中の連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合 毎週月～土曜8:00～ほか ※土曜は1週間の振り返り)で柳井家の女中・宇戸しん(おしん)を演じている瞳水ひまりにインタビュー。印象に残っているシーンや共演者とのエピソードを聞いた。
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瞳水ひまり 撮影:蔦野裕
112作目の朝ドラとなる『あんぱん』は、漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。小松暢さんがモデルのヒロイン・朝田のぶ役を今田美桜、やなせたかしさんがモデルの柳井嵩を北村匠海が演じ、脚本は中園ミホ氏が手掛けている。
――柳井家を献身的に支える“おしん”こと宇戸しんを演じられていますが、演じる際に意識したことを教えてください。
女中という立場もあったので所作は細かく意識しましたが、それよりも、柳井家の皆さんそれぞれに対する気持ちだったり、セリフがなかったとしても、女中という役割がある中でどういう視線や行動をしていけばいいのかということを深く考えて演じました。
――何か意見するのではなく、いつも皆さんに寄り添っているイメージですよね。
そうですね。台本にないところできっとおしんちゃんは、柳井家の皆さんを支えていたんだろうなと。食事だったり、どうしたら元気が出るんだろうと、たくさん家族のことを考えて支えている子だと思うので、そういう部分を大切にしていきたいと思っています。
――役とご自身の共通点はありますか?
おしんちゃんは柳井家の女中として皆さんを陰で支えていますが、ふとした時に性格が出て、意外としゃきしゃきしていてせっかちで、オリンピックで前畑(秀子)選手を応援するシーンの時も、おしんちゃんが誰よりも前のめりで応援していて、それが高知の女性っぽいなと。私もせっかちだったり、負け気が強い部分があるので、そこは似ていると思いました。
――高知の女性は強気な方が多いですか?
強い女性が多いです。誰に対してもバシバシいくし、距離も近くて、そういう高知の女性像がのぶさんに詰まっていて、朝ドラを見た友達から「確かにあなた高知の女だね」と言われました(笑)
――特に思い入れのあるシーンを教えてください。
たくさんありますが、オリンピックで「前畑頑張れ!」と応援しているシーンがすごく印象に残っています。それまではおしんちゃんの素が出ることはあまりなかったのですが、あそこで初めて、おしんちゃんは柳井家でちゃんと家族として接してもらっていて、意外と熱中したら皆さんを押しのけて応援するような一面があるということを知ってもらえたのかなと。嵩さんが受験に落ちてしまった時も、おしんちゃんがグイグイ結果を見ようとしていて、そこもおしんちゃんの内面を見てもらえたシーンだったので印象に残っています。
――宇戸しんがグイグイいくというのは、脚本にも書かれていたのでしょうか。
脚本には書かれてなかったので、最初は後ろの方で応援していたんですけど、監督から「おしんちゃんグイグイいっちゃっていいよ」と演出していただいて、監督によって新しい一面を見つけることができました。
