イカロス出版は、鉄道車両デザインの第一人者、南井健治氏による書籍『鉄道車両デザインの教科書』(A5判264ページ、3,080円)を発売した。

  • 『鉄道車両デザインの教科書』に収録されているドバイメトロの検討案イラスト

著者が近畿車輛で30年以上にわたり国内外の鉄道車両デザインに携わった経験をもとに、車両デザイナーの実務や思考、デザインの全体像を体系的に解説する1冊となっている。

デザインを単に「色や形を決める作業」ととらえるのでなく、鉄道車両の構想段階からの深い関与を紹介しており、デザイナー志望者に加え、鉄道業界に携わる実務者やファン層にも有益な内容に。本編は全7章構成で、「鉄道車両デザインの意味」「日本と海外の鉄道車両デザインの比較」「車両デザインの潮流」といったテーマに加え、ドバイでの実務経験をつづった付章「ドバイ紀行」と、総括的な終章「まとめに代えて」などを含む。

  • 車両をデザインする考え方を図解で解説

  • 『鉄道車両デザインの教科書』表紙

著者の南井氏は、1979年に近畿車輛に入社し、JR西日本、東京メトロ、大阪市交通局などの車両のほか、広島電鉄のLRV、叡山電鉄の観光列車など、多彩な車両のデザインに携わった。米国、香港、ドバイなど海外プロジェクトにも多数関与している。2024年に近畿車輛取締役常務執行役員を退任し、現在はフリーランスで活動している。