東海テレビ・フジテレビ系「土ドラ特別企画」として放送される2週連続ドラマ『介護スナックベルサイユ』の第1話が、きょう22日(23:40〜24:35)に放送される。

  • 尾碕真花(左)と宮崎美子

小野武彦・石倉三郎らが出演

尾碕真花演じる「年寄りギライ」な若者・小日向柊と、宮崎美子演じるママのほか、個性豊かな出演者が集まった同作。第1話では、末期がんで緩和センターに入院しながら、ベルサイユに通っている元教師・柳田浩一役を小野武彦、京都祇園の三つ星料亭「みつまた」の元料理人・三俣史郎役を石倉三郎、三俣の料理の腕を誰よりも認めているが、三俣が家を出た後、病気で亡くなった三俣繁子役を萬田久子が演じる。

また第2話では、長く社交ダンスの先生をしてきたが、重い病気を患い、余命わずかと宣告を受ける金沢麗子役を夏樹陽子、柊の祖母・小日向春子役を田島令子が演じる。

キャスト、原作・脚本の清水有生氏、プロデューサーの鵜澤龍臣氏(東海テレビ)のコメントは以下の通り。

小野武彦

私は自分の年齢に近い元教師役。主に主役の尾碕真花さん、他の映画で夫婦役としてご一緒したことのある宮崎美子さん、私の「思い出の人」役の青山姫乃さんたちとのシーンでした。スタッフの手際の良い段取りのおかげで演技に集中でき、青山姫乃さんとの芝居も新鮮な気持ちで交流することが出来ました。尾碕さん演じる小日向柊も、良からぬ交友関係との生活の中から、宮崎美子さん演じるママと知り合い、「ベルサイユ」で働いていくうちに変化していく役なので、その変化のプロセスや振り幅も、お楽しみいただけると思います。皆様、ぜひぜひご覧ください!!

萬田久子

今作脚本の清水有生先生の朝ドラ『すずらん』で、夫婦役をさせて頂いた時からのご縁のお酒友達石倉三郎さん! お酒にまつわる逸話をいっぱい思い出したわ! 先生今度は何かしら!? 特製ワインを飲むとあーら不思議(ハート)楽しい現場でした! どうぞご覧ください。

石倉三郎

摩訶不思議なドラマに参加させていただきました。尾碕さんはじめ若手の役者さん方が、スタートがかかると一気にバシッと決めて、今の若い人達はすごいなぁと感心しました。良い環境の中で撮影が進み非常に楽しい現場でした。そしてなんと言っても女房役の萬田久子さん! 何度か夫婦役を演じた事もあり、阿吽の呼吸で夫婦としての時間がしっかり持てたんじゃないかなと思います。大女優の胸を借りてシーンを楽しめました! 視聴してくださる皆様、凄く面白い作品になってると思います。東海テレビ発の「介護スナックベルサイユ」是非ご期待ください! 観てね!

夏樹陽子

皆さんももし一生に1回会いたい人に会えるワインが飲めるとしたら、どなたに会いたいですか? きっと胸をときめかせて、慎重に真剣にお考えになることでしょう! 私もそうですから! ただ、私の場合、何人かに会いたいんですよね(笑)恋しい人だけでは無いかもしれないですよ!?

田島令子

六車俊治監督率いるスナックベルサイユの幕が上がると
ヒロイン柊を演じるは少年の様な美しさを醸し出す尾碕真花さん
8歳の柊は美少女春岡花那さん
後悔を抱いて生きて来た人々が一人また一人と
ミステリーゾーン、ベルサイユを訪れます
私演じる柊の祖母春子もその一人、春子の心の澱は解消出来たのでしょうか?
さて、ワインの芳香に誘われ、あなたはベルサイユの扉を開けますか?
私、田島令子は?
それは秘密、、です

清水有生氏

このドラマは酒場を舞台にしたれっきとした「医療ドラマ」です。スナックのママや接客係は看護師や介護士、マネージャーはケアマネージャー、バーテンダーは管理栄養士とそれぞれが酒場と医療現場の二刀流。点滴の瓶がボトルキープされていて、「とりあえずビール」の前に平行棒で「とりあえずリハビリ」を終えてからというのが店のルール。そんな話を人に話すと、たいていは「ありえない」と冷たく笑われてしまう。本当にありえない話なのだろうか。取材をしてみると、こんな話に出会った。ビールが大好きな脳疾患のお年寄りのために、ビールにとろみをつけるとろみ剤が薬局で市販されているのだという。嚥下機能が低下していると、水分でむせってしまい誤嚥性肺炎になってしまう危険があるので、とろみをつけるのだそうだ。その患者さんは、元気な時に通ったスナックでわずかでいいから酒を飲み、カラオケで歌うことを目標に、日々の治療とリハビリに励んでいるのだという。願わくば、介護保険のサービスの中に、お散歩介護やお買い物介護と並んで「酒場介護」を作ってほしいと語る患者さんの目は真剣だった。「ありえない」ではなく、「あってほしい」という夢のようなお店の話を書かせていただきました。

鵜澤龍臣氏

報道部の駆け出し記者時代、緩和ケアに取り組む医師に密着させていただきました。そこで出会った患者の皆さんと家族との会話の中にはいつも、「最後に食べたい料理」がありました。去年、99歳で他界した祖母も最後まで自分で食事をすることを望んでいました。今回、清水さんにえがいていただいた「介護スナックベルサイユ」は、そんなお年寄りの「人生最後に会いたい人と食べたい料理」に寄り添う物語。高齢者が嫌いな主人公を地上波単独初主演の尾碕真花さん、店のママに宮崎美子さん、そして大ベテランの俳優陣に、客や思い出の人物を熱演していただきました。実在する介護を伴うスナックも複数取材しました。皆さんが口をそろえて、スナックのあの陽気で不思議な空気が、客たちを元気にすると話していたのが印象的です。私にとって「最後に食べたい食事」とは。ここ数カ月ずっと考えていますが、答えが出ません。今後の人生でもっと素敵な料理に出会うかもしれないから。そう思うと、歳を重ねることが少しだけ楽しみになってくる。このドラマでそんな気持ちになってもらえたらうれしいです。

(C)東海テレビ

【編集部MEMO】
小日向柊(尾碕真花)は「ベルサイユ」のママ、上杉まりえ(宮崎美子)と面接し、その日から働くことに。要介護認定を受けているお年寄りが楽しく過ごせる不思議なこのお店は、まりえが処方した謎の点滴を受けると元気になり楽しい一夜を過ごすことができる介護スナックだった。その日、元教師で末期がんを患っている柳田浩一(小野武彦)と、元料理人の三俣史郎(石倉三郎)が特別なワインを希望して来店してくる。ワインを飲み干した時、人生の終わりにどうしても会いたかった人に会うことができる幻想の世界に導かれる。ワインを飲んだ三俣の前に現れたのは、亡き妻の繁子(萬田久子)だったが。