JR東日本は、3月6日11時30分頃に上野~大宮間で発生した東北新幹線「はやぶさ・こまち21号」の走行中に連結部が外れた事象について、現在の調査状況と当面の対策を発表した。3月14日から併結運転を順次再開し、3月15日から所定ダイヤでの運転を予定しているとのこと。

  • 山形新幹線「つばさ」、秋田新幹線「こまち」の東北新幹線への直通運転は3月14日から順次再開する予定

東京発新青森行の「はやぶさ21号」はH5系10両編成、東京発秋田行の「こまち21号」はE6系7両編成を使用し、東京~盛岡間で併結運転を行う。3月6日11時30分頃、上野~大宮間を走行中に両列車の連結部(10号車と11号車の間)が外れ、自動的にブレーキが動作し、停車した。

同日、JR東日本は今後の対応として、「原因が判明し、必要な対策が完了するまで、併結運転をすべて取りやめます」と発表。山形新幹線は福島~山形・新庄間、秋田新幹線は盛岡~秋田間で折返し運転を行い、東北新幹線への直通運転を中止(一部列車を除く)している。これにともない、山形新幹線「つばさ」は福島駅、秋田新幹線「こまち」は盛岡駅で乗換えが必要となった。

JR東日本は3月11日時点の調査状況に関して、「発生直後のE6系こまち号において、連結器が分割する動作を繰り返す状態が確認されました。このことから、併結走行中に何らかの電気的な異常が発生したものと考えております」と説明。運輸安全委員会による調査に引き続き協力し、JR東日本でも原因究明に取り組む一方、「併結走行中に何らかの電気的な異常が発生しても連結器が分割することのない対策の検討」も進めてきたという。

原因が判明するまでの間、当面の対策として、「併結走行中に電気的な異常が発生した場合でも連結器の分割動作が行われないよう、機械的に動作機器を固定する器具を福島駅ならびに盛岡駅での併結作業時に取り付けます」とJR東日本。併結運転を行う同社所属のE2系・E3系・E5系・E6系・E8系(全95編成)に加え、JR北海道所属のH5系(全3編成)も同様の対策を実施する。

この対策を検証するため、3月12日に走行試験を行う。対策を講じた上で、3月14日から併結運転を順次再開し、3月15日から所定ダイヤで運転予定。販売を取りやめている山形新幹線「つばさ」の東京~福島間、秋田新幹線「こまち」の東京・仙台~盛岡間の指定席について、3月15~31日の運転分は3月13日6時、4月1日以降の運転分は3月14日6時からそれぞれ販売を再開する。

なお、今回の事象に対する恒久対策として、「連結器を分割させる回路が走行中に動作しない仕組みへの見直しを進めておりますが、今後の調査結果も踏まえ、内容を精査したうえで、対策を講じてまいります」とJR東日本は説明している。