第9話「玉菊燈籠恋の地獄」では、前回に引き続き1775(安永4)年の様子が描かれた。
鳥山検校による瀬川の身請け話が持ち上がり、蔦重はようやく瀬川への想いに気づく。2人は瀬川の年季が明ければ一緒になろうと約束するが、その約束が果たされることはなかった。足抜けを企てた小田新之助とうつせみはあえなく捕まり、吉原の女郎が幸せをつかむことがどれだけ困難かを思い知らされる切ない展開だった。
注目度トップ3以外の見どころとしては、瀬川を想う蔦重が、瀬川に身請けを断ってくれと迫るシーンが挙げられる。前回、鈍感ぶりを発揮して九郎助稲荷(綾瀬はるか)に「バーカ! バカ! バカ!」とこっぴどくなじられた蔦重だが、今回は不器用ながらも自分の気持ちを瀬川に伝えることができた。
SNSには「蔦重と瀬川、やっと両想いになったのに切ない」「自分の気持ちに気付いた蔦重の表情が胸にグッときました」「瀬川、好きな男にこんなふうに言われたら嬉しいと同時に苦しくもあるよね」と、2人の実らぬ恋に同情する多くの投稿が集まった。
そして悲恋の展開が続く中、その歌声で視聴者を虜にする蔦重の義兄・次郎兵衛(中村蒼)が話題となっている。これまでも癒やしキャラとしての地位を確立しつつある次郎兵衛だが、週を追うごとにその存在感が増しているようだ。SNSでは、「いろいろとしんどい展開すぎてもう次郎兵衛くんが、のほほんと過ごしてるところでしか癒しがない。ずっとそのままでいて」「9回で唯一、笑わせてくれた次郎兵衛兄さんに感謝です」「次郎兵衛兄さんは吉原という砂漠のオアシスです!」と、マイペースに癒やしを提供してくれる次郎兵衛にコメントが集まっている。きっと蔦重の心も、次郎兵衛がなぐさめてくれるに違いない。
また、久々の登場となる田安賢丸(寺田心)が、妹・種姫(小田愛結)から渡された種を見つめて、何かを画策するシーンにも注目が集まっている。SNSでは、「どんな企みを思いついたんだろう、ゾッとしたよ」「寺田心くん、悪い顔してたなあ」「ロクでもないこと思いついてそう」と盛り上がりを見せており、次の展開が待たれる。
種姫を演じる小田愛結は、神奈川県出身の13歳でホリプロに所属。大河ドラマは『べらぼう』が初出演だ。2023年の「第45回ホリプロタレントスカウトキャラバン」では史上最年少の11歳でグランプリを受賞しており、今後の活躍が期待されます。
きょう9日に放送される第10話「青楼美人の見る夢は」では、蔦重は女郎屋の主人たちから、瀬川最後の花魁道中に合わせて錦絵を制作するよう命じられる。一方、幕府では田沼意次(渡辺謙)を追い落とそうと権力争いが激化する。