2番目に注目されたのは20時42~43分で、注目度73.7%。瀬川の身請けが決まったシーンだ。

松葉屋半左衛門(正名僕蔵)といねはうやうやしく頭を下げた。相手は鳥山検校(市原隼人)である。瀬川を身請けするため、検校はなんと1,400両という大金を用意した。ここに五代目瀬川の身請けが正式に決まったのだ。密かに想いを寄せていた蔦重とようやく心を通わせたのもつかの間、瀬川は非情な現実を思い知らされた。足抜けをもくろんだうつせみはあっさり連れ戻され、想い人とは引き離された。

四代目瀬川が自害しなければ、きっと何人もの女郎が瀬川を襲名し、身請けされて大門を出ていったはずだ、と語るいね。吉原は不幸な所だが、人生をガラリと変えるようなことも起きる。瀬川を襲名したからには、そういった背中をほかの女郎たちに見せられる存在となる決心をして、瀬川は蔦重との未来を諦めた。生涯をかけて瀬川と添い遂げようとした蔦重に、「とびきりの思い出になったさ」と言って天網島を蔦重へ返した瀬川には、もう思い残すことはなかった。こうして瀬川は1775(安永4)年の暮れに吉原を出ていくこととなった。

  • (C)NHK

「瀬川の背中がかっこよかった!」

このシーンは、瀬川の決意に視聴者の関心が集まったと考えられる。

蔦重から足抜けを提案された瀬川だったが、悩んだ末に鳥山検校からの身請けを受け入れる。最後に蔦重と心を通わせることができたのはせめてもの救いだったが、好きなだけではどうにもならない、吉原の厳しい現実を思い知らされる結末だった。

SNSでは、「幼い恋には流されなかった瀬川の背中がかっこよかった!」「毎回吉原の残酷さが描かれているけど、惹きつけられる。脚本がうますぎ」「最後の蔦重と瀬川のやり取り良かった。実現しなくても、蔦重に命懸けの足抜け提案されたことは本当に嬉しかったんだね」「蔦重の提案を受け入れられないのを、物語の感想に込めていたのがすごくよかった」と、瀬川と蔦重のかなわぬ恋に多くの投稿が集まっている。

鳥山検校は最終的に1,400両で瀬川を身請けした。現在の貨幣価値に直すと1両はおよそ10万円(現在の激しいインフレで15万円で換算するケースもあり)なので、1,400両は1億4,000万~2億1,000万円となる。うつせみで300両。下級の女郎だと40両が相場なので瀬川は桁が違う。この高額な身請けが当時の江戸で大きな話題となったのもうなずける。

そんな大金をポンと出せる鳥山検校だが、その資産額は15,000両と伝わる。金貸しというのはいつの時代も儲かるようだ。鳥山検校を演じる市原隼人は、神奈川県出身の38歳でスターダストプロモーションに所属。大河ドラマは2017年『おんな城主直虎』、2022年『鎌倉殿の13人』に続いて3度目の出演だ。『鎌倉殿の13人』では色気がダダ洩れの八田知家を演じ話題となったが、『べらぼう』でも属性がかぶり気味。蔦重いわく、クズの鳥山検校だが、今後はどのような描かれ方をするのか非常に楽しみだ。