止められない性衝動に悩む33歳の主人公が、後悔しないように性欲を解消するための“マイルール”を作り、もがきながら現代社会を生きる姿を描くテレ東 ドラマチューズ!『マイ・ワンナイト・ルール』が1月7日(毎週火曜24:30~)から放送される。原作は、なかおもとこ氏による現在連載中の同名電子コミックで、独身アラサー女性のリアルな気持ちに寄り添った描写が多くの共感を呼び、累計ダウンロード数80万回を突破している。

今作の主人公・綾を演じる足立梨花にインタビュー。原作を読んで共感し感情移入したという足立に、作品やキャラクターの魅力について聞いた。インティマシー・シーンを撮影するにあたって、足立が制作陣に伝えた“リクエスト”とは。

  • 足立梨花 撮影:島本絵梨佳

    足立梨花 撮影:島本絵梨佳

他人には言えない悩みを抱えた主人公の葛藤に共感

――“性”の悩みを抱えた女性が主人公の今作ですが、出演オファーを受けたときの心境をお聞かせください。

最初にお話を聞いたときは、すごくパンチが強い作品なのかなという印象でした。ただ、原作を読ませていただいて、もちろん性のことが題材にはなっていますが、そこに至るまでの過程がしっかりと描かれていて、その葛藤や悩みに「あ、わかる、わかる」と共感できたんです。この作品だったらドラマ化してもおもしろそうだし、私でもできるかもしれないと思って出演させていただきました。

――出演が発表された際のコメントでも、主人公の成海綾に感情移入したとおっしゃっていました。

綾は8年間、恋人がいないキャラクターなんですが、「じゃあその間、“性”についてはどうするんだ」という話は他人には言えないけど、絶対に皆さん心の底のどこかで思っていることだと思うんです。

私自身、5~6年くらい彼氏がいない時期もあったので、そういうときに「(性について)どうするの?」と友達と話したこともありました。そういう意味で共感性の高い主人公だなと感じました。

――原作コミックが大きな共感を得ているのは、まさにそういったところなのかもしれませんね。

「マンガだからこういうことが起こる」ではないというか、すぐ隣にこういう悩みを抱えている人がいてもおかしくないくらい身近なお話だなと思いましたし、そこに年齢も重なったことで、余計に恋が難しい問題で“壁”のように襲い掛かってくる感じがとてもリアル。原作を読んだときに、読者の皆さんが共感しているのを見て、「こうやって思うことが間違いではなかったし、こうやって思う人が世の中にはたくさんいるし、思っていていいんだ……こういう感情を抱いていいんだ」と思わせてくれました。そういった部分は、ドラマ版でも大切にしたいです。

――改めて、今回足立さんが演じた成海綾はどんなキャラクターなんでしょうか?

綾さんは真面目で不器用だけど一生懸命なんです。自分が抱いた性衝動をどうしようか悩んだときにワンナイトすることに決めるんですが、そこにマイ・ルールを定めて、誠実に向かっていく姿が素敵。

また、ルールを作ってワンナイトしようとするんですが、いろんなことを考えて動けなくなってしまう部分もあって、私も綾さんと同世代なので、「特に30歳を過ぎるとそうなってくるよね」と共感してしまいました。20代のときは、「ちょっと失敗してもいいか!」という気持ちが持てる時期だと思うんですが、30歳になると傷つきたくないし、失敗もしたくない。綾さんも「周りからも遊んでると思われたくないし、遊んでいる場合じゃないでしょ! という風に思われるし……」とか、いろんなことを考えて、ルールを設けたワンナイトにたどり着いたと思うんです。

ただ、ワンナイトをすると言ったのに、どこかで恋がしたいと思っているあたりも、綾さんのかわいいなと思えるところで、本当は性格的にワンナイトには向いてない人なんです(笑)。でも不器用で真面目だから、考えた結果、そこに行きついたというかわいらしい女性だなと思いながら演じています。

インティマシー・コーディネーターのサポートで「不安要素は一つもない」

――様々な葛藤にもがく姿がリアルに描かれているからこそ、共感を集めているんですね。今回の作品ではインティマシー・シーンもあると伺いました。撮影にはインティマシー・コーディネーターの方も入られているのでしょうか?

いらっしゃいます。クランクインする前にお話をさせていただいて、どこまでどうするのか、「こういうシーンがあって、こういう風にすると思うんですけど、どうですか?」と事前に聞いていただいています。実際にはまだシーンの撮影をしていないので、どう進むか具体的にはわかっていないんですが、インティマシー・コーディネーターさんがいらっしゃるので不安はないです。地上波でできることは限られているということは私自身もわかっていますし、今までにインティマシー・シーンもやったことがあるので!

それに私たちがという部分もそうですが、ドラマとしてどういう風にきれいに映るのかというところも今回は重要なポイントにしたいと思っていて、原作も女性が共感できる作品なので、女性が見ていて「うわっ!」と思うものにはしたくないということは、お伝えさせていただきました。ちゃんと絵コンテも描いてくださっていて、目で見てわかるように作ってくださってるので、不安要素は一つもないです。

今回は女性が共感できる作品なので、私としては男性がかっこよくキレイに映ってほしいなという気持ちが強いんです。もちろん私もきれいには撮ってほしいですけど(笑)! なので、いちばん最初に監督やプロデューサーさんに「堂島(平岡祐太)さんをきれいに映してほしい」とお願いしました。

■足立梨花
1992年10月16日生まれ。長崎県出身。2007年に「第32回 ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを獲得し、デビュー。主な出演作にNHK連続テレビ小説『あまちゃん』、テレ東系ドラマ『大東京トイボックス』(14)、フジテレビ系ドラマ『僕はまだ君を愛さないことができる』(19)、劇場版『名探偵コナン 11人目のストライカー』(12)など。1月7日スタートのテレ東 ドラマチューズ! 『マイ・ワンナイト・ルール』で主演を務める。スタイリスト:奈雲恵里 ヘアメイク:杉村理恵子