• 植草美幸氏(左)と番組進行の藤井貴彦 (C)フジテレビ

植草氏の指導を真摯(しんし)に受け止めて変化を遂げた進藤さんと内田さん。しかし、彼らのような真面目な人ばかりが入会してくるわけではない。時にはアドバイスに反抗したり、罵倒してくる人もいるそうだが、どのような意識で接しているのか。

「最初に“ファーストカウンセリング”と言って2時間くらいお話しするのですが、そこでその方のことを私が好きになります。タレントさんとマネージャーさんも同じ関係だと思いますが、その人のことを大好きになって愛してあげないと、結婚させたいなんて思えないですから。なので、入会者が男性だったら自分の息子、女性だったら娘だと思って、“何をされようが100%結婚させてあげなきゃ”という気持ちになってスタートします」

時には厳しい言葉でアドバイスすることもあるが、それも“親心”の愛情の裏返しということだ。その上で、相手をマッチングさせる際には、まず年齢、年収、学歴という目に見える絶対的な要素から選定。その次に大事になるのが「育ち」だという。

「環境も含めて、総合的な“育ち”を見ます。その一つは出身地です。実は関東の人と関西の人はなかなか結びつかなくて、関西の人が苦手という関東の人がとても多いんです。逆に関東の人が苦手だという関西の人はいないんですけどね。ほかにも、親が離婚している人はダメだという烙印が押されることもあります。東京では減ってきていますが、地方に行けば行くほどそういう偏見がいまだにあるんです」

自分が結婚した人生のイメージを

婚姻率が下がり、晩婚化・少子化が進む日本。SNSでは「結婚は幸せじゃない」「一人のほうが良かった」といった既婚者のコメントも飛び交っているが、「あれは愚痴のはき溜め場なので、独身の人はそういう言葉に左右されず、“自分が結婚したらどんな人生なんだろう”というイメージだけでもしてもらいたいと思います」と呼びかける。

さらに、「今、婚活で上手くいっていない人には、正しい婚活をしてほしいです。最近は、精神的に追い込まれて心療内科に通われる“婚活うつ”という方もいらっしゃるので、そんなふうにはなってほしくないですね」と願った。

自分の年収が低く、経済的な自信のなさから踏み出せない人に対しては、「同じような属性の人との出会いを、自分でたくさん見つけてほしいです。もちろん、年収350万円の男性が600万円の女性と結婚するというのは、まず難しい。でも、同じような属性の仲間たちは必ずいるので、独身の異性がいるところに足を運んでほしいです」とアドバイス。

そして、「アニメやゲームをやったり、YouTubeを見てニンマリしたりしているだけじゃなくて、人と触れてほしい。人と触れない限りコミュニケーション力は上がりません。結婚できない人が増えているのは、コミュニケーション力が下がっているからなので」と訴えた。その考えは、今回の番組に登場する進藤さんと内田さんが見せる大きな変化が裏付けている。

  • 婚活に奮闘する内田さん(左)と進藤さん(仮名) (C)フジテレビ

●植草美幸
1995年、アパレル業界に特化した人材派遣会社「エムエスピー」を創業。自身がコンサルも手がけた大手アパレルメーカーの店舗は最大で25店舗まで至ったが、リーマンショックを機に、09年に結婚相談業を開始、その後事業転換。アパレル業でのコンサルの経験を武器に、異性に好まれる「婚活ファッション」を提唱して数々の未婚の男女を結婚に導き、年間で受ける恋愛・結婚相談の件数は約2,000件を超える。現在でも婚活現場の最前線に立ち、日々一人一人の会員と向き合いながら成婚カップルを輩出している。