YouTube『フィルムエストTV』で公開されている『友近サスペンス劇場 外湯巡りミステリー・道後ストリップ嬢連続殺人』のトーク&特別上映イベントが1日、都内で行われ、主演の友近、共演の芝大輔(モグライダー)、西井紘輝監督が登壇。制作秘話や今後の展望などについて語った。
エキストラに尋常ではないセリフ量
9月13日に公開された同作は、かつてテレビ各局で放送されていた2時間サスペンスを、画質などまで“80年代っぽい映像”に再現して新たに制作したもの。パロディという枠を飛び越え、“2時間サスペンスあるある”を詰めに詰め込んだ約90分という長尺での高すぎる再現度が話題を集め、2日時点で再生回数は300万回に迫る勢いとなっている。
やや高画質な“クリアビジョンver.”で行われた今回の上映は、3人が客席に座ってコメンタリー形式で撮影秘話を披露していくスタイル。友近は、自ら歌うオリジナルのテーマ曲「ジャスト・アローン」が流れると思わず一緒に歌いだし、「(尋常ではないセリフ量のエキストラの)棒読み感がいいですね」「奥野くん(芝)のこの表情!」「このメガネがうちのオカン」など、ツッコミ&解説していった。
ストリップ嬢役で真っ先に名前が浮かんだキャスト
トークショーでは、友近が制作の経緯を説明。これまでも自身のYouTubeチャンネルで、2時間サスペンスをオマージュしたコント『友近ワイド劇場』を公開してきたが、「ちゃんとした2時間サスペンスを誰か撮ってくれないだろうか」という想いを抱いていた中で、“80~90年代っぽい映像”を制作するフィルムエストTVの西井監督の存在を知り、「西井さんなら夢をかなえてくれるかもしれない」と企画を持ち込んだという。
これを受けた西井監督は「これは本気だなと思って、友近さんのすさまじさを感じました。」と、ただならぬ熱量を回想。ロケハンも一緒に行く力の入れようで、「二人三脚で作っていきました」と明かした。
29歳の西井監督は、友近から送られてきた大量の参考資料を研究し、今回ドラマ脚本にも初挑戦。ファミレスで打ち合わせを重ね、一般的な2時間ドラマの半分以下だという6日間での撮影、17人のスタッフ体制で制作が行われた。
「キャスティングプロデューサーは昔からやりたくて、勝手にドラマや映画のキャスティングをして家で一人で遊んでいた時代があった」という友近は、今回「“ストリップ嬢”となったときに、真っ先に時東ぁみちゃんが出てきました」と直感。西井監督は「そこから全てが始まりました」と、伝説の始まりを振り返った。
地域活性コンテンツの可能性も実感
撮影は、友近の地元・愛媛の“後援会”の面々がエキストラなどで積極的に参加し、流れるCMも実在する愛媛の企業がスポンサーに。本編では2時間サスペンスならではの風光明媚な観光名所も紹介されており、友近は「これを見て愛媛に行きたくなってもらえたらうれしいです。こういう地域活性の活動もあるんだと思って、新しい取り組みですよね」と可能性を実感した。
ロケ地として協力したホテル「奥道後 壱湯の守」では今作を記念した宿泊プランが発売され、今治市長がロケを見学するなど、政財界も巻き込んだ取り組みとなっている。
友近は、この『外湯巡りミステリー』のシリーズ化に意欲。「今回のドラマを見て“協力したいです”とか“スポンサーになりますよ”と言ってくださる方が何件かいたりするので、そういう地域でやりたいですね。あと、私が北海道と沖縄と愛知でレギュラー番組やってるので、そこだと協力してくれるかな。沖縄の2時間サスペンスってあんまり見たことないですよね。でも、崖めっちゃ多いんですよ」と構想した。
さらに、テーマ曲「ジャスト・アローン」についても、「水谷千重子さんに覚えてもらって、コンサートで歌ってもらいたいと思います」と、ドラマを超えた広がりを思い描いていた。
【ストーリー】
フリーライターの黛京子(友近)とカメラマンの奥野茂(芝大輔)は、取材ですっかり愛媛を満喫していた。奥野は密かに道後温泉のストリップ劇場を訪れることを楽しみにしており、京子を連れて劇場へ向かう。そこで京子は、取材の合間に怪しい男とのケンカを目撃した岬美華が出演していることに気づく。美華が妖艶な踊りを披露する中、突如として照明が消え、悲鳴が響く。事件の真相を探り始めた京子は、怪しい男の正体を追う。そして、物語は松山から今治へ……。