JR東日本は26日、東北新幹線で9月19日に発生した、走行中の「はやぶさ」「こまち」の連結部が外れた件について、調査結果と今後の対策を公表した。
同社によれば、9月19日8時7分頃、盛岡発東京行「はやぶさ6号」(E5系10両編成)と秋田発東京行「こまち6号」(E6系7両編成)の併結編成が古川駅から仙台駅までの区間を走行中、「はやぶさ」と「こまち」の連結部(10号車と11号車の間)が外れ、列車が分離した際に作動するブレーキにより停車したという。
その後、車両と線路上の点検を行い、「はやぶさ6号」と「こまち6号」はそれぞれ単独編成で仙台駅まで運転。13時12分に全線で運転を再開した。発生直後から実施していた連結部の外観検査は9月23日に終了したが、対象の全編成で異常は認められなかった。
ただし、当該列車のE6系「こまち」を詳細調査した際、通常の分割併合作業に関わる回路等に異常はなかったものの、併合作業が完了しない場合に再度分割させるため扱うスイッチの端子部付近に金属片(切屑)が発見されたとのこと。スイッチの裏面周辺にも金属片があり、この金属片を用いて端子部に接触させたところ、連結器を分割する動作が再現されたと説明している。
これを受けて、併結運転を行うE2系、E3系、E5系、E6系、E8系の全96編成において、連結器を分割させるスイッチの端子部付近に金属片がないか、追加点検を実施。9月26日朝までに全編成の点検を終了し、当該編成を除き、分割させるスイッチの端子部付近に金属片が付着していないことを確認した。しかしE6系に関して、全23編成のうち当該編成以外の10編成でスイッチの裏面周辺に金属片があったため、これを除去したという。
今回の調査と点検を踏まえ、JR東日本は今回の原因について「金属片でスイッチの端子間が短絡した」ことが原因であると推定。本来はスイッチを操作しなければ電気的につながらない箇所が強制的につながり、連結器が外れたものと結論づけた。車両メーカーとの調査により、この金属片は車両製造時に発生したものの一部が残っていたと推定される。
これにもとづく暫定対策として、併結運転を行うE2系、E3系、E5系、E6系、E8系の全96編成について、当該のスイッチから配線を取り外し、回路を無効化することとした。E6系については9月27日までに完了する予定。その他の車両も10月末日までに対策を実施する。恒久的な対策として、連結器を分割させる回路が走行中に動作しないしくみに見直すとしている。