JR貨物は、9月10日に公表した同社の車両所3カ所における輪軸組立作業時の不正行為に関して、不正行為の対象となる車両数が追加され、計631両になったと発表した。

  • JR貨物が輪軸組立作業時の不正行為に関して、対象となる車両数が追加されたと発表

7月24日に山陽本線新山口駅構内で発生した貨物列車脱線事故を受けて、9月6日に関西支社広島車両所内で輪軸組立作業の確認を行ったところ、車輪と大歯車の圧入作業において、圧入力が基準値を超過していた場合に検索結果データを基準値内のデータに差し替え、検査を終了させていたことが社員からの申告により判明。社内調査の結果、関西支社広島車両所に加え、北海道支社輪西車両所と関東支社川崎車両所でも、圧入力が基準値を超過した状態で検査を終了させていたことが判明した。

9月10日の時点で、北海道支社輪西車両所の件数を「貨車309両」、関東支社川崎車両所の件数を「貨車218両」、関西支社広島車両所の件数を「機関車4両、貨車33両」としていたが、9月11日に再度調査したところ、前回の調査で不正行為の有無を確認していない車両があったと判明。この確認を行うにあたり、安全確保のため、一時的にすべての貨物列車を運転見合わせとした。

今回の発表で、北海道支社輪西車両所の件数は「貨車319両」(10両追加)、関東支社川崎車両所の件数は「貨車275両」(57両追加)に増えており(関西支社広島車両所の件数は変更なし)、合計の車両数は9月10日時点の計567両から67両増え、計631両になった。

JR貨物は当面の対応として、「検査結果データが基準値を超過していた輪軸を搭載した車両(機関車4両、貨車627両)は運用停止としました」と説明。今後、可及的速やかに車軸の検査を実施するとともに、不正行為を行った車両所に対し、作業体制を再整備するまで作業を停止するとしている。