テレビ画面を注視していたかどうかがわかる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、4日に放送されたNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合 毎週日曜20:00~ほか)の第30話「つながる言の葉」の視聴者分析をまとめた。

  • 吉高由里子(左)と泉里香 (C)NHK

    吉高由里子(左)と泉里香 (C)NHK

「酔ってらっしゃるの?」まひろの勘が的中

最も注目されたのは20時23分で、注目度81.1%。まひろ(吉高由里子)とあかね(泉里香)の恋バナのシーンだ。

まひろが四条宮に向かっていると、よろめきながら歩いているあかねの姿が見えた。足元がおぼつかず、ふらついて倒れそうになるあかね。まひろはあわてて駆け寄り、あかねを抱きかかえると、あかねの息からは酒の匂いがする。「酔ってらっしゃるの?」まひろが聞くが返事はない。「親王様とケンカでもなさったのですか?」と続けると、「そうなの。何で分かるの」と、あかねは声を震わせひざから崩れ落ちた。「ここでお座りになってはいけません」どうやらまひろの勘は当たったようだ。

「親王様が、私を疑うようなことをおっしゃるのよ」場所を移すと、あかねは柱に体を預け、ぽつりとこぼした。「疑う?」「人に代わって詠んだ歌なのに、私が別の男に懸想していて、その男に贈ろうとしているなんておっしゃるのよ。扇も取り換えっこして私の心は親王様しかいないと言っているのに」どうやら親王様はあかねにやきもちを焼いているだけの話のようだ。

まひろは「親王様はよほど、あかね様にご執心なのね」と言ってみた。すると、「私だって、親王様に負けないくらい親王様が好き!」と、あかねは間髪入れずに返してくる。あかねも親王様には本当に惚れているのだ。「そうやって、誰の目もはばかることなく、恋に身を焦がされるのはすばらしいことです」まひろはあかねをうらやましく思う。あかねにはまひろの言葉が意外だったようで、「まひろ様はそういう人いないの」と、まっすぐに聞いてくる。まひろは道長(柄本佑)を思い浮かべ、「私は…あかね様のように思いのまま生きてみたかった」と答えた。

  • 『光る君へ』第30話の毎分注視データ

強烈キャラに魅了された視聴者多数

注目されたのは、今回初登場を果たした強烈なキャラクター・あかねと、まひろのさっそくの絡みに視聴者の関心が集まったと考えられる。

あかねこと和泉式部は、この時代を代表するモテ女。初登場のシーンでは、シースルーの単衣で登場し、まひろや藤原公任(町田啓太)の妻・敏子(柳生みゆ)たちの度肝を抜き、鮮烈なデビューを飾った。『枕草子』について、「私、読んでみましたけど、さほど面白いと思いませんでした」と、言い放つ自由奔放なあかねに、X(Twitter)では「フリーダム過ぎる」「和泉式部可愛すぎ」「衣は薄いけどキャラは濃い」「セクシー式部」「平安時代のギャル」などと、その強烈なキャラに魅了された視聴者から多数のコメントが寄せられた。

この後、2人は共に中宮・藤原彰子(見上愛)に仕える。史実では、紫式部は和泉式部の和歌の才能を高く評価していたが、彼女の奔放な恋愛遍歴に関しては批判的な面もあったそう。これからの2人の関係がどのように描かれるのか注目だ。

あかねを演じる泉里香は、スターダストプロモーションに所属する京都府出身の35歳。女優だけでなくファッションモデルやグラビアでも活躍しており、大河ドラマの出演は『光る君へ』が初めてだ。「いずみしきぶ」に「いずみりか」がキャスティングされたのは、「いずみ」かぶりであることも理由の1つかもしれない。また、あかねの初登場が今回となったのは、タイトルの「つながる言の葉」を意識してのことではないか。