テレビの広告主・広告会社を対象にした民放キー局5社による共創イベント「テレビカンファレンス2023」がこのほど、都内で初開催され、各ジャンルの制作者が局の垣根を越えて登壇した。

「帯番組」のセッションでは、日本テレビ『ZIP!』の石村修司統轄プロデューサー、TBS『ラヴィット!』の小林弘典チーフプロデューサー、フジテレビ『めざましテレビ』の高橋龍平チーフプロデューサーが登場。番組制作で意識する姿勢や互いの番組への印象などを語った。

  • (左から)『ZIP!』石村修司統轄プロデューサー、『ラヴィット!』小林弘典チーフプロデューサー、『めざましテレビ』高橋龍平チーフプロデューサー

    (左から)『ZIP!』石村修司統轄プロデューサー、『ラヴィット!』小林弘典チーフプロデューサー、『めざましテレビ』高橋龍平チーフプロデューサー

水卜アナ、1時間延長で「めちゃくちゃうれしい」

まず司会の笠井信輔アナが互いの番組の印象を聞くと、高橋氏は「『ZIP!』はやはり水卜(麻美)アナウンサーが象徴としていて、曜日別にパーソナリティーの方がいらっしゃって曜日の色ができているので、そこは『めざまし』と構造が違うかなと感じています。それと、この4月から“8時の壁”を越えたところでやってらっしゃいますが、8時を越えると違う陸地が広がっていくイメージがあるので、それをやっていることに敬意と尊敬と、大変だろうなと感じています」と語る。

この“8時の壁”を越えることについて、石村氏は「水卜は1時間延びてめちゃくちゃうれしいと言ってます。それは、6時台・7時台ではできないけど、8時台だから届けられるZIP!らしさ、例えばゲストの話をしっかり聞けるというところによって、総合情報エンタテインメント番組として3時間10分で完成できたという思いがあるようです」と手応えを感じているそう。そして、裏の『めざましテレビ』については、「とにかく情報に誠実で、ネタ選びの幅広さだったり、テンポ感だったり、情報番組の本質を突いてるなと思います。細かいことを言うと、大雨のときの中継ポイントとかめちゃくちゃしっかりしてて、無駄がないんです。ある種、“情報番組の完成形”だと思って本当にリスペクトしています」と賛辞を送った。

  • 司会の笠井信輔アナ

いろんな壁を打ち壊してテレビを使って遊ぶ精神

『ラヴィット!』に対して、高橋氏は「本当に革命的で、違う方向を向いているのがとても潔くて素晴らしい番組だなと感じています」、石村氏は「やっぱりある程度データに基づいて作りたくなるんですけど、とにかく『ラヴィット!』という番組の人格を大切にして、そこを振り切って日々とにかく熱で押し切ってるのが、同じテレビマンとしてめちゃくちゃカッコいいなと思います」と称賛。

朝の帯番組にバラエティを持ってくるという革命を起こした『ラヴィット!』だが、小林氏は「最初は大変でした。ネットニュースも辛辣でしたし、社内からも例えば“もっと朝の『ブランチ』っぽく、エンタメ情報を入れたほうがいいんじゃないか”とか、いろんな話がありました」と回想。それでも、「後発として新しいことをやるのであれば、圧倒的な今までにない差別化をしなきゃいけないと思って、芸人さんたちが作り出す笑いを大事にし、それをブレずに続けてきました」と、現在の評価を獲得するまでの苦労を明かす。

高橋氏が「視聴率を分析してると情報を入れたくなるんですけど、それを貫こうというのが素晴らしなと思います」と言うと、小林氏は「そっちに行きすぎたら結局オリジナルじゃなくなるっていうところでやり切ろうと思って頑張っています」と、ブレない姿勢を堅持。さらに、「先日も『どっちの料理ショー』に出たかったんだという出演者がいて、それをオマージュしてやるとか、とにかくいろんな壁を打ち壊してテレビを使って遊ぼうという精神です」(小林氏)と、常識にとらわれない番組作りを進めている。

そんな小林氏は、『ZIP!』に対して、「春から9時まで広げられて、『ラヴィット!』が始まる8時のまたぎで強いスポーツネタを持ってきて、とっても嫌な思いをしています(笑)」と漏らし、『めざましテレビ』については、「大塚(範一)さん時代から見てまして、本当にスーパーブランドだなと思います。30年の中にはマンネリや飽きがあったと思うんですけど、すごく新陳代謝が上手くて、今もそのブランドが若々しくフレッシュであるのが、すごくカッコいいなと思います」と尊敬の念を示した。