JR九州は20日、豊肥本線三里木~原水間の新駅設置について、2023年12月18日付で熊本県菊陽町と覚書を締結したと発表した。今後、新駅設置に向けて準備を進めるとのこと。開業時期目標は2027年春とされている。

  • 豊肥本線熊本~肥後大津間で運転される普通列車

菊陽町は熊本市の北東部に位置する豊肥本線沿線の町。1969(昭和44)年の町制施行後、急速な都市化に加え、交通アクセスの良さ(阿蘇くまもと空港や九州自動車道など)もあって最先端企業等の立地が進み、人口も増加。2023年11月末の時点で、人口は4万3,868人となっている。

町内にある豊肥本線の駅は三里木駅と原水駅の2駅だが、光の森駅(所在地は熊本市北区)も菊陽町との境界付近にあり、大型ショッピングセンターを有する住宅団地「光の森」の住民が多く利用する。三里木~原水間については、駅間距離が3.2kmと比較的長く、菊陽町は1999(平成11)年にもJR九州へ新駅設置を要望したが、当時は十分な利用者数を見込めないとして、実現には至らなかった。

近年、新駅設置を想定している周辺地域が目覚ましく発展していることに加え、世界最大の専業半導体ファンドリーであるTSMC(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー)などによる新工場の進出で情勢が変化していることから、菊陽町は2022年4月に改めてJR九州へ新駅設置を強く要望。その後も協議を進め、2023年12月18日の覚書締結に至った。

新駅は三里木駅から東へ1.3km、原水駅から西へ1.9kmの位置にあり、菊陽町図書館付近に設置される予定。2027年春を開業時期目標とし、鉄道施設(ホーム、鉄道線路等)や周辺設備(交通広場、交流施設等)の整備を進めるとしている。