南雲役の鈴木と山住役の黒木については、「先生にしか見えない」と語る。

「亮平さんも華さんも、何を質問しても真摯に向き合って答えてくださいますし、お芝居に関しても、球児たちと話し合ってこういうシーンにしようとまとめてくださるので、監督であり部長であり、先生であり、背中で見せてくださる方です」

鈴木からさまざまなアドバイスをもらっているそうで、とても学びになっているという。

「球児がいっぱいいるシーンは、カメラの画角的にかぶって顔が見えづらくなることがけっこうあり、『体の向きをこうすると映るよ』と言ってくださったり、ベンチでの声のかけ方について『自分のキャラクターを意識して自分の言葉を出したほうがいいよ』と言ってくださったり、場面によってアドバイスをしてくださいます」

祖父役の小日向にも感謝。「すごく元気な方なので現場が明るくなりますし、大先輩なので聞きたいことがあっても最初のほうは聞きづらい部分がありましたが、そういう壁を小日向さんのほうから壊してくださって、野球の話やこれからの役者としての話もすることができました。本当にありがたいですし、話しやすく接してくださるので感謝しかないです」と語った。

■多くの学びを得たことで目指す俳優像が明確に

そして、本作に参加したことで、さまざまな目線を意識する大切さを学んだという中沢。

「塚原さんの演出は、『この子が悲しい表情をしています、観てください』という演出ではなく、観ている人に想像させる演出で、役者はいろんな目線を持っていないといけないなと感じました。役者としての目線、観ている方にどう観えるのかという目線、演出の仕方など、いろいろな目線を考えながらも、スタートするときには頭の中をゼロにしてその人として生きないといけないと思いました」

また、鈴木と塚原監督の会話を聞いて、そのシーンだけではなく物語全体のことを考えていることを知ったという中沢。自身は「シーンのことだけを考えていて作品全体を見られていない」と感じたそうで、「冷静に俯瞰して作品全体を見ながらもちゃんと役に集中できる方が主役を務められる役者なのかなと思いました」と語った。

本作で多くの学びを得たことで目指す俳優像も明確に。「作品のジャンルによると思いますが、ナチュラルなお芝居をして、魅せるところは魅せるというメリハリのあるお芝居ができる俳優さんになりたいなと、塚原さんの演出を受けながら改めて思いました」と明かした。

最後に、26日放送の第7話について「新1年生も入ってきて、僕たちが2年生になって、越山高校野球部がけっこう動き出します。犬塚翔としては、野球以外の部分で悩む場面が増えてくるので、翔の生き方というか、いろんな人との関わり方にも注目して見ていただきたいです」と見どころを紹介。「最後の夏が始まる話で、迫力のある野球シーンもたくさんあるので、そこも注目して観ていただきたいです」と付け加えた。

  • 第7話の場面写真

■中沢元紀
2000年2月20日生まれ、茨城県出身。2022年、WEB CMドラマ『メゾンハーゲンダッツ ~8つのしあわせストーリー~」で俳優デビュー。ドラマ『ナンバMG5』(22/フジテレビ)、『埼玉のホスト』(23/TBS)、映画『沈黙の艦隊』(23)、『さよならモノトーン』(23)などに出演している。

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