俳優の鈴木亮平が主演を務めるTBS系日曜劇場『下剋上球児』(毎週日曜21:00~)で、越山高校野球部の一員、犬塚翔役を演じている中沢元紀にインタビュー。本作出演について話を聞いた。

  • 『下剋上球児』犬塚翔役の中沢元紀

本作は、高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメント。三重県立越山高校に赴任して3年目の社会科教員で、廃部寸前の弱小野球部の立て直しに奮闘する主人公・南雲脩司役を鈴木亮平、家庭科担当で野球部部長の山住香南子役を黒木華が演じ、約半年間に及ぶオーディションを経て決定した12人の若手俳優たちが野球部メンバーとして出演している。

■役と共通点も多く「だんだん自分に馴染んできている感覚」

中沢が演じているのは、小日向文世演じる地元の大地主・犬塚樹生の孫で、名門クラブチームの元エース・犬塚翔。役と自身は似ている部分が多いという。

「闘志を表に出さず内に秘めるタイプであったり、自信がないというか、あまり自分から行動することが少ない性格であったり、そういった部分が重なるので、犬塚翔を演じていく中でだんだん自分に馴染んできている感覚があります」

チームの中心選手で出演シーンも多いということで、プレッシャーは感じているのだろうか。

「試合シーンは、ピッチャーの僕がストライクを入れないと始まらないシーンが何回かあったり、外角低めにスライダーを投げてくださいという要求もあったり、野球の技術面に関してはもともとピッチャーではなかったので大変な部分はありました」

中沢は、小学5年生から中学3年生まで5年間野球をやっていたが、ピッチャーではなく、「外野も内野もやっていましたが、中学校の最後の試合はファーストで出場しました」とのこと。本作のオーディション時もピッチャー志望ではなく、ファースト志望で参加していたという。

「ピッチャーのお話をいただいて、そう言っていただけるならやってみようということで挑戦したので、最初はピッチャーとしてのプレッシャーもありましたし、ピッチャー志望の方たちがすごい方ばかりだったので、頑張らないとなと思いました」

■課題にしてきたピッチングフォームへの反響に喜び

本作が日曜劇場初出演。放送を見たときの感想を尋ねると、「本当にありがたいのですが、自分が出ているドラマを平常心で見られなくて、反省点ばかり探してしまい、ここはもうちょっとこうしたほうがよかったなという部分ばかりです」と照れ笑い。

家族や視聴者からの反響には喜びを感じているそうで、「ピッチングフォームのきれいさはオーディションのときからずっと課題にしていたので、『ピッチングフォームがきれいでかっこよかったです』というコメントをいただくと、頑張ってよかったなと思います」とうれしそうに話した。

塚原あゆ子監督の演出については、「本当に自由にやらせていただいていて、『みんなで考えて自由にやってみて』と言ってくださるので、球児みんなで考える力もつきます」と説明。新井順子プロデューサーについては、「ずっと全体的に見てくださっていて、お母さん的存在だなと感じます」と語った。

第2話で、翔が富嶋雄也(福松凜)の弁当を見て、「先輩彼女いるんですか?」と話しかけたのはアドリブだったという。

「塚原さんから『いろんな表情を見せたほうが魅力的に見える』と言われた言葉が頭の中にあったからあの言葉が出てきたのかもしれませんし、企画書に翔くんの野球以外の部分について『女の子からモテるけど、おじいが翔くんにはふさわしくないとずっとはじき返している』ということも書いてあって、それが頭の片隅にあったからああいう言葉が出てきたのかなと思います」