俳優の鈴木亮平が主演を務めるTBS系日曜劇場『下剋上球児』(毎週日曜21:00~)で、越山高校野球部の一員、根室知廣役を演じている兵頭功海にインタビュー。本作出演について話を聞いた。
本作は、高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメント。三重県立越山高校に赴任して3年目の社会科教員で、廃部寸前の弱小野球部の立て直しに奮闘する主人公・南雲脩司役を鈴木亮平、家庭科担当で野球部部長の山住香南子役を黒木華が演じ、約半年間に及ぶオーディションを経て決定した12人の若手俳優たちが野球部メンバーとして出演している。
福岡県の野球強豪校出身でオーディション時から存在感を発揮していた兵頭が演じている根室は、サイドスローのピッチャーで、次第に頭角を現していくという役どころ。根室柚希(乃木坂46・山下美月)の弟で、家が遠くフェリーと電車で通学している。
兵頭は、高校時代に戻ったような感覚で撮影に取り組んでいるという。
「根室を演じていて、久々に高校時代に戻ったような、毎日朝から晩までグラウンドにいて、泥だらけになって野球をするみたいな撮影が、撮影をしているようで撮影をしていないというか。この前もヘッドスライディングして泥だらけになるシーンを撮ったのですが、そういう日々がすごく楽しくて、リアルにきつくて行きたくないと思うときもあって、それもいい意味で部活のようで毎日充実した日々を過ごしています」
そして、放送で自身の姿を見て「すごいことをしているんだな」と実感したと語る。
「日曜劇場は日本のテレビドラマの中でも誰もが知っている大きな枠で、主演が鈴木亮平さんで、その中で投げたり鈴木さんとお芝居しているというところが、テレビに映っているのを見て初めて実感しました。すごいところで今やれているんだな、幸せだなと感じます」
反響も感じているそうで、「地元・福岡の友達からも連絡が来て、『南雲先生、免許ないのやばない!?』って(笑)。もちろん親も見てくれていますし、違う作品でお世話になったスタッフさんなど、たくさん連絡をもらっています」と明かす。
■兵頭自身はオーバースロー「合格発表のときにサイドスローだと」
野球は「小学校4年生の時から高校3年生までずっとやっていました」とのことで、「始めたばかりの頃は外野やキャッチャーをやったこともありましたが、本格的にやるようになってからはずっとピッチャーしかやっていないです」と役と同じくピッチャーだったそう。「僕自身はオーバースローで、オーディションもオーバースローで投げていましたが、合格発表のときにサイドスローだと聞きました」と投げ方は違ったようだ。
とはいえ、サイドスローの経験が全くなかったわけではなく、「高校1年生のときに、一瞬サイドスローにして下半身の使い方を覚える練習をしたこともあったので、なんとなくサイドスローの投げ方は自分の体の中に漠然とありました。そこから根室っぽいってなんだろうなと考えたり、プロ野球選手の投げ方や、同じチームにいたピッチャーの投げ方を参考にしながらやっています」と説明する。
根室と自身の共通点を尋ねると、「マネージャーさんには『ぴったりだね』と言われました」と明かす。
「『つらい環境でも、つらくないと思って笑顔でいる感じがそっくりかもしれない』と言われて。僕自身そういうつもりはないんですけど、もしかしたらそういうところが似ているのかもしれません」
■同期の関係性の変化を実感「根室も成長」
2016年度入学の同期役は、兵頭に加え、犬塚翔役の中沢元紀、椿谷真倫役の伊藤あさひ、日沖壮磨役の小林虎之介、久我原篤史役の橘優輝、楡伸次郎役の生田俊平の計6人。演じながら同期の関係性の変化を感じているという。
「根室は最初は楡のことを怖がっていたり、臆病な性格なので会話をするシーンが少ないのですが、2年、3年となっていくうちに、楡や久我原にもツッコめるようになったり、壮磨にも『怒りすぎ』と注意することができたり、根室も成長したし、2年生になったときと3年生になったときで関係値が変わってくるんだなと、すごく感じます。割とアドリブが多く、野球のメンバーが自由にしていていい瞬間があり、そういうときに感じますね」
塚原あゆ子監督は、球児キャストたちに「役をキャラっぽくしないで」「やりすぎないで、もっと自分に落とし込んで」とよく話しているそうで、兵頭は「それがいいアドリブというか、セリフがないところのナチュラルな会話につながっているのかなと。役をやろうとしすぎると言葉がセリフっぽくなってしまい、自分に近ければ近いほど自分のまま言葉が出るので、そういう狙いもあって塚原さんはそういう環境を作ってくださっているのかなと思います」と語った。