フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00～ ※関東ローカル)で、17日に放送された『あの日 僕を捨てた父は2 ～孤独な芸人と家族の再生～ 前編』(10月8日まで、TVer・FODで無料見逃し配信)。ゲーム芸人・フジタ(45)が、かつて自分を捨てた父を介護する姿を追った作品で、24日に後編が放送される。
昨年10月の放送からの続編となる今回、その表現の仕方は独特ながらも、改めて父親のフジタに対する愛情を感じたというのは、取材を担当した朝川昭史ディレクター(NEXTEP)。また逆に、フジタの父親への感情の変化も伝わってきたという――。
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『ザ・ノンフィクション』の密着を受けるゲーム芸人・フジタ (C)フジテレビ
■憎み続けた父との同居を決断
幼い頃から没頭してきたゲームの腕でファンを魅了するフジタは、小学校入学直前に母親がクモ膜下出血でこの世を去り、父親と2人で暮らすことになった。しかしその父が、内縁の妻となる同級生の母と恋仲になって家を出てしまい、小学2年生で独り暮らしを始めることに。自分をこんな目に遭わせる父を憎み、その苦しさと寂しさを紛らわすために、父が毎週置いていく3万円でゲームを買い、熱中してきたのだ。
父が家を出ていって約35年、憎み続けた父と相手の女性は、今も内縁関係を続けていた。長年の怒りをぶつけたいフジタだったが、父は認知症に。年金をすぐに使い切り、カードローンのキャッシングで借金が膨らんでも、内縁の妻にお金を渡そうと、目を離した隙に1人で出かけてしまう。足腰も弱り、夜中のトイレに立つのもひと苦労……フジタは今年1月、そんな父と同居をすることを決めた――。
■同居は無理と思ったが…
前回の放送を受け、「想像以上の反響で、びっくりしました」という朝川D。フジタもYouTubeの再生回数が伸びて「『おかげでアンチが減りました(笑)』と喜んでいました」とのことで、「今回が『2』ってことは、次回『3』もあるってことですか?(笑)」と、早くもゲームソフトのようにシリーズ化を期待しているそうだ。
一方の父親は放送を見て、泣いていたのだそう。朝川Dは「お父さんが世話をしてくれるフジタさんに『お前が優しくしてくれるから…』と言って涙する場面がありましたが、そこを見て泣いていたんです。あのときの感情を思い出したのではないでしょうか」と想像した。
今回は、フジタが父親と同居するという新たな展開を描くことになったが、「あの家は臭いがすごくて、トイレもお風呂も使えないので、フジタさんには無理じゃないかなと思ったんです」という。それでも、見守りカメラで父親が家の中で転倒したり、1人で危なっかしく火を使ったりする姿を見ていると、近くにいなければ命の危険があると、使命感に駆られたようだ。
家で父の介護をしながら、デイサービスに行く日はその準備も。さらに、交際中の女性を遠方まで送り迎えし、もちろん芸人としての仕事もこなすフジタの姿に「かなり大変そうでした。相当パンパンだったと思いますが、それでも取材に応じてくれるのはありがたいです」と感謝した。
