主演の松本からはうれしい言葉をもらったという。「現場でお会いしたときに、『お芝居のトーンが素敵ですね』と言ってくださって、すごくうれしかったのを覚えています」

撮影以外でもキャストやスタッフから「殿」と呼ばれているという座長・松本の優しさが伝わるエピソードも明かしてくれた。

「演者・スタッフさん誰にでも分け隔てなく声をかけてくださる方で、現場で皆さん写真を撮るのが流行っているのですが、有村さんと私がお話ししているところも殿が遠くから撮ってくださいました。初めての大河ですごく緊張していましたが、コミュニケーションをとってくださる方だったので、すごく救われました」

さらに、「一番うれしかったのは、お芝居とは関係なく殿が『家族写真を撮ろう』と言った日があって、信康さんと瀬名さんと亀姫(當真あみ)もいて、私は家族として入っていいのかなという気持ちがあったのですが、私を真ん中に入れて一緒に写真を撮ってくださったときに、改めて『私は徳川家の皆さんのことが大好きだな』と思い、泣きそうなぐらいうれしかったです」と大切な思い出を語った。

有村の優しさにも救われたという。

「一番コミュニケーションを密にとってくださったのは有村さんでした。初日に『緊張するよね。私も最初すごく緊張したんだ』というお話をしていただいて、すごくほぐれましたし、同じシーンのときはいつも声をかけてくださいました。長時間緊迫したシーンが続くときには、リフレッシュするためにスタジオの外に連れ出してくださり、気遣いがうれしかったし支えになりました」

また、同世代の信康役の細田、亀姫役の當真と3人で話をすることも多かったそう。

「3人とも緊張していた中で、好きなアニメの話など他愛もない話ができたのもうれしかったです」と述べ、「信康さまはものすごく心優しい人物だったと思いますが、細田さんが演じられるからこそ感じる部分がすごくありました」とも話した。

そして改めて、演じた五徳について「当初自分が考えていたよりもずっとずっと人間味があって、他者を思える人物になったと思っています」と言い、「それは現場の皆さんに引き出してもらった感情で、自分の中だけでは出てこなかったものを初めて得られたことは大きな財産になりましたし、感謝してもしきれない気持ちでいっぱいです」としみじみ。

大河ドラマ初出演を果たし、新たに芽生えた野望はあるか尋ねると、「この大河ドラマでご一緒させていただいた皆さんにすごく救われ支えていただいたので、皆さんとまたどこかの現場でご一緒することが今の夢です」とほほ笑んだ。

■久保史緒里(くぼ・しおり)
2001年7月14日生まれ、宮城県出身。2016年、乃木坂46の3期生オーディションに合格し、活動開始。2017年9月号の『Seventeen』より専属モデルに。今年3月にリリースされた32ndシングル「人は夢を二度見る」で初めて表題曲のセンターに抜てきされた。数々のドラマや映画、舞台などにも出演している。

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