――ニューヨークでペットシッターもされているという記事を読んだのですが、それは本当ですか?

本当です。ニューヨークで生活していて空いている時間があって、向こうはペットビジネスがすごく盛んなのでやってみようと思って始めました。そうしたらすごく楽しくて。

――もともと犬を飼っていたこともあったのでしょうか?

東京で1人暮らしをしていたときに飼っていたことがありましたが、ペットシッターを始めてから今まで以上に犬がかわいく見えてきて、溺愛するようになりました(笑)。この愛情がそのまま子供にも行くのかな、なんて思ったりもしています。向こうは犬すらも感情表現が豊かでアグレッシブで、それがすごくかわいく見えますし、ペットではなく家族の一員なんだなと感じます。

――犬と過ごす中で何か気づきや学びなどありましたか?

向こうの方たちは犬のかわいがり方がすごくて、その愛に触発されて、愛情表現が自分も豊かになった気がします。

――素敵な変化ですね。

日本人と比べて向こうの方は感情をものすごく出すので、それを見ていて、プラスな感情を表に出すのは素敵なことだなと学びました。周りの人もそのほうが幸せになれると思います。

――今39歳ですが、今後どうなっていきたいと思い描いていますか?

若々しくいたいなと思っています。以前はそういうことは考えてもなかったですが、意識したほうがいいと思うようになってきました。いつまでも軽やかにいられるのか、年齢が重圧になっていくのか、ここから別れ道な気がしていて、僕は表情も含め、いろんな意味でずっと軽やかにいたいです。

――どうしたらずっと軽やかにいられると思いますか?

物事や人との向き合い方やリアクションが大事なのかなと思っています。自分の思考が固まってくると、そこから出られなくなりがちですが、違う見方もしていくと心が若くいられるのではないかなと。

――確かに年齢を重ねると自分の考えが凝り固まっていく可能性があるので、それを意識するのは大事だなと感じます。

「これはこうだ!」と言い切るのは簡単ですが、そこで多角的に考えられるか。ある程度努力を要すると思いますが、意識するとしないでだいぶ変わってくると思うので、その意識をちゃんと持っていたいと思います。

――俳優として具体的にこんなことに挑戦していきたいということはありますか?

今の話とつながりますが、自分の視野を広げるためにも、若い方たちの世界観や作品に触れたいという興味がすごくあります。新しい感性に触れることで見えてくるものもあると思うので、積極的に関わっていけたら。若い俳優さんもそうですし、若い監督さんたちともご一緒していきたいです。

――ご自身も違う世代に刺激を与えながら作品作りに挑んでいくことになるのでしょうか?

そうですね。僕も見てきた景色や経験で伝えられるものは伝えていくつもりですが、あくまでも一つの提案として伝えるぐらいでいたいと思います。

――最後にファンの方にメッセージをお願いします。

『ある風景』はまさに今を描いているので、自分の人生と重ねながら見ていただけると思います。僕自身、これまであまり考えてこなかったテーマなので挑戦だなと感じていますが、これからもさまざまな作品にチャレンジしていきたいと思います。

■小出恵介
1984年2月20日生まれ、東京都出身。映画『パッチギ!』(2005)で注目され、その後数々の話題作に出演。2018年10月より米ニューヨークに拠点を移し、2020年より日本での芸能活動を再開。2021年7月、ABEMA『酒癖50』で4年ぶりにドラマ復帰。2023年2月には主演映画『銀平町シネマブルース』で本格的に映画復帰を果たす。現在は映画、舞台を中心に活動している。

ヘアメイク:永瀬多壱 スタイリスト:佐々木敦子