「賢明な判断」は、ニュースやビジネスシーンなどで時折見聞きする表現ですが、どのような意味を持つのでしょうか。

本記事では、「賢明な判断」の意味や使い方・例文を紹介します。また、使用する際の注意点や類語・言い換え表現なども解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

「賢明な判断」の意味とは

  • 「賢明な判断」の意味とは

「賢明な判断」とは、物事の判断が適切なこと・賢いことを指す言葉です。

「賢明」という言葉は「賢くて物事の判断が適切であること」という意味を持ちます。「判断」は「物事がどのようになっているかを認識し決めること」という意味です。これら2つを組み合わせて「賢明な判断」という言い回しで使います。

なお、読み方は「けんめいなはんだん」です。

「懸命な判断」との違い

「賢明」には複数の同音異義語があり、なかでも「懸命」という言葉は「賢明」と「間違われやすい言葉の一つ。「懸命な判断」と書いてしまうケースが見受けられますが、これは誤りです。「懸命」という言葉は、全力を尽くすさまや必死に頑張るさまを表す言葉で、「懸命な判断」という使い方はしません。誤字に注意してください。

「賢明な判断」の使い方・例文

  • 「賢明な判断」の使い方・例文

ここでは、「賢明な判断」という言葉の使い方を紹介します。

評価やアドバイスするとき

「賢明な判断」は、主に目下の人を評価する際に使う言い回しです。例えば部下のとった行動が正しい判断だったと思えたときに、「賢明な判断だった」と言って相手を評価します。

また、アドバイスする際にも使える言葉です。例えば、後輩から相談されたときに「~するのが賢明な判断だと思う」といったように使います。判断が難しいことを相談されて、「~した方がいい」と言い切るようなアドバイスを避けたいときなどに便利な表現といえるでしょう。

目上の人に使える?

「賢明な判断」は、ポジティブな意味合いで使う言葉ですが、相手を褒める・評価する言葉であるため、基本的に上司や先輩など目上の人に対しては使いません。上から目線に思われたり、偉そうと思われたりする可能性があるので注意しましょう。

自分自身にも使える

「賢明な判断」は、第三者だけでなく自分自身の行動に対しても使える言葉です。例えば自身のした行動が適切だったことを言いたいときに「~するのが賢明な判断だと思い、そのように対処しました」といったような使い方ができます。

ビジネスやプライベートで使える例文

・突然のトラブルだったにもかかわらず、君は賢明な判断をしたね
・A君の賢明な判断によって被害が拡大せずに済みました
・あの場でリスクについて説明したのは賢明な判断だった
・本案件は中止にするのが賢明な判断だろう
・予算が限られている中で賢明な判断だったと思います
・内定2社のうち、A社を選んだのは賢明な判断だった
・娘が彼を選んで結婚したのは賢明な判断だった
・後半でA選手を交代させたのは賢明な判断だ

「賢明な判断」の類語・言い換え表現

  • 「賢明な判断」の類語・言い換え表現

「賢明な判断」と似たような意味を持つ類語や言い換え表現を紹介します。相手やシーンに応じて上手く使い分けましょう。

適切な判断

「適切な判断」は、「てきせつなはんだん」と読み、状況や目的に合った判断を意味する言葉です。「適切」には、状況や目的にふさわしいことという意味があります。賢いという意味は含まれないので、相手の行動を褒めたいときには「賢明な判断」を使う方が適しているでしょう。

【例文】
・彼があの場で意見を言ったのは適切な判断だった
・運営が中止にしたのは適切な判断だと思う
・影響力が大きいだけに、適切な判断が求められる

正しい判断

「正しい判断」は、道理に則った判断をする、いくつかの選択肢から正しい答えを選び取ったりしたことを言い表す言葉です。「正しい判断」も「適切な判断」と同じく、賢いという意味は含みません。行動が正しかったことを強調したいときなどに使うといいでしょう。

【例文】
・彼女のとっさの行動は正しい判断だった
・公平性を保つためにも正しい判断が必要だ
・あのときの状況においては正しい判断だったと思います

妥当な判断

「妥当な判断」は、「だとうなはんだん」と読み、実際の事情や状況にあった適切な判断を意味する言葉です。こちらも賢いという意味はありません。

【例文】
・A社の決定は妥当な判断だったように思う
・賛否両論あったが、今の状況を考えたら妥当な判断だ
・先方の意見も取り入れた妥当な判断かと思います

「賢明な判断」を正しく使おう

  • 「賢明な判断」を正しく使おう

「賢明な判断」の意味や使い方・例文、類語・言い換え表現について紹介しました。

「賢明な判断」は物事の判断が適切なこと・賢いことを指す言葉で、目下の人を評価したりアドバイスしたりする際に使います。相手を評価する言葉であるため、目上の人に使うと失礼にあたるので、注意しましょう。

ビジネスシーンで部下や後輩の行動を褒めたいときやアドバイスしたいときなどに、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。