■台本を頂いて読み進めていくと……

――優希さんは今回、不倫相手という役どころです。この役を演じる上でどのようなことを意識しましたか?

優希:陽子さんの世代の方は陽子さんに共感される方も多いと思うのですが、私と同世代の方には理央にも共感してもらえるように、理央があまりにも嫌な女性にならないように、と心がけました。

理央はすごく純粋に一途に康太を愛しているだけというか。自分に振り向いてほしいという思いで起こした行動が、周りの人から観たら「嫌だな」と見えてしまう。不器用なんだけど、すごくまっすぐでいい子だなって。自分が演じるからそう見てしまうのかもしれませんが、この役を演じる上でそういった部分は大事にしたいなと思いました。

――稲森さんは、陽子という役をどんな風に捉えましたか?

稲森:女性が憧れる強さを持っていて、仕事を持ちながら妻として母として完璧でいようと努力している人という印象を受けました。時に過激な行動を取るのですが、そこに至るまでの気持ちはすごく共感できる部分があって、そこをしっかりと演じていきたいと思いました。

――ご自身と比べて、似ているところはありますか?

稲森:ウソが嫌いなところですね。あとは、不安や不満を自分のなかで何とか消化しようとするけど、どうしようもなくて積もり積もってしまうところはちょっと似ているのかなと思いました。

――吉沢さんは、昂太という人物にどのような印象を持ちましたか?

吉沢:「上手に」という言い方もダメなんですけど、昂太は上手く不倫しているタイプの人ではなくて、あんまり何も考えてない感じがして……客観的に見たら、ちょっと子どもっぽいんだろうなと思います。

だから、同じ子ども同士ではないですが、すごく近い存在として息子とも仲良くしてるところがこのドラマのフックにもなってくる。そういう部分は理解できるんですけど、女性に対しての感情を理解するのはなかなか苦労しています。

出演オファーを受けたときは、「面白い作品だからぜひ演じたい!」と思ったんですけど、実際に台本を頂いて読み進めていくと、「とんでもない役だな」と(笑)。