3⽉20⽇に発表された幸福度ランキングで、フィンランドが6年連続で世界1位となった。フィンランドの幸福度1位の秘密を、フィンランド⼈の働き⽅に焦点を当て綴った「フィンランド⼈はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」(ポプラ社)は、読者が選ぶビジネス書グランプリ2021イノベーション部⾨で1位を獲得し、10万部を突破している。

  • 『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』(堀内都喜子著・ポプラ新書)

幸福度に大きな影響を与えるのがワークライフバランス。同じく今年3月にForbesで発表されたワークライフバランスのランキングでは、フィンランドの首都ヘルシンキが2位にランクインした。1か月を超える休暇、育休制度や柔軟な働き方が評価されている。

日本でも、コロナ禍で身近になった在宅勤務だが、フィンランドは、コロナ以前から在宅勤務3割を実現。有休消化は100%で、毎年平均5週間ほどの休暇を取る。しっかり休み、リチャージすることができるフィンランド。⼀⼈あたりのGDPは⽇本の1.25倍だ。

また、日本で最近議論されている男性の育休取得であるが、フィンランドでは8割の男性が育休を取得している。今年1月には、アンティ・カイッコネン国防相が約2か月の育休を取得。男性閣僚としては最長で、ロシアのウクライナ侵攻やフィンランドのNATO加盟などと重なる時期だったこともあり、フィンランドでも話題になった。

リスキングも、フィンランドでは当たり前のことだという。OECDの調査によると、半数以上の人たちが、仕事をしながら、なにかしらのトレーニングや勉強をしており、2021年に生涯学習に参加した人たちは31パーセント。EUのなかでは、スウェーデンの35パーセントに続き、2番目に高い数字だった(Eurostatの調査)。

フィンランドと日本では、人口や国の規模が違うが、働き方に関して参考になることは多い。本書では、フィンランドの効率のいい働き方はもちろん、男性の育休やリスキングについても事例を交えながら紹介している。