いよいよクライマックスを迎えているウルトラマンシリーズ最新作『ウルトラマンデッカー』は、地球を襲う未曽有の脅威に挑むエキスパートチーム「GUTS-SELECT」の若き隊員・アスミ カナタ(演:松本大輝)と仲間たちの活躍を描く特撮テレビドラマである。強敵との激しい戦闘をこなしながら、隊員たちは「大事なものを守る」ために何をすればいいのか、自分の眼前に立ちふさがる困難をいかに打破するのかなど、さまざまな試練を乗り越え、大きく成長していく。

  • 黄川田雅哉(きかわだ・まさや) 1980年生まれ、埼玉県出身。モデル活動を経て、1999年に俳優デビュー。映画『ホワイトアウト』(2000年)『富江re-birth』(2001年)『轢き逃げ 最高の最悪な日』(2019年)、テレビドラマ『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』(2006年)『八重の桜』(2013年)『埼玉の逆襲 スペシャルドラマ/The埼玉』(2022年)、舞台、CMなど多方面で活躍。『仮面ライダーTHE FIRST』(2005年)『仮面ライダーTHE NEXT』(2007年)の本郷猛役、『美少女仮面セーラームーン』(2003年)古幡元基役、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019年)マスターレッド役などで特撮ファンにも高い人気を誇る。ウルトラマンシリーズでは『ウルトラマンX』(2015年)第6、7話にゲスト出演。 撮影:大門徹

そんな隊員たちをあたたかく見守り、よき方向へ導くのが、GUTS-SELECT隊長・ムラホシ タイジの役割となる。クールで理知的、しかし内面には熱い感情を秘めている新時代のリーダー像をさわやかに演じる黄川田雅哉に、GUTS-SELECTメンバーのチームワークのよさや、ウルトラマンシリーズの「隊長」を演じることの重み、そして特撮ヒーロー作品が持つ多彩な魅力について語ってもらった。

――今回ウルトラマンシリーズの「隊長」役で出演依頼を受けたとき、率直にどんな思いを抱かれましたか。

それはもう、うれしかったです。僕が子どものころはウルトラマンシリーズの新作が作られていなかったのですが、ウルトラマンのことは有名ですごいヒーローだと思っていました。それだけ歴史と伝統のあるシリーズに、レギュラーで出られることへの喜びが強くありました。しかし「隊長」役だと聞いたとたん、うれしさを上回る重圧がのしかかってきました。

――黄川田さんが強く印象に残っているのは、どのウルトラヒーローですか。

子どものころに好きだったというより、もっと後になってからのウルトラマンのほうが印象深いんです。友人の杉浦太陽くんが主演していた『ウルトラマンコスモス』(2001年)とか、『ウルトラマンダイナ』(1997年)も覚えています。なぜ僕が『ダイナ』を知っているんだろうと自分でも不思議なんですけど、知らず知らずのうちにテレビや他の媒体などで目にしていたんでしょうね。熱心に観ていたわけでもない僕でさえ、ウルトラマンの印象が深いのですから、熱心なファンの方たちはもっともっと愛着があるんだろうなと想像すると、ウルトラマンシリーズのスケールの大きさをいっそう強く感じます。

――ウルトラマンシリーズならではといえる「怪獣と戦う防衛チーム」のユニフォームを着用されたときのお気持ちはいかがでしたか。

以前出演した『仮面ライダー THE FIRST』のときもそうでしたが、の身体にフィットするよう細かく採寸をしてもらいました。今後もずっと着ていくものだから……と僕専用のユニフォームとして作っていただいたのが、すごくうれしかったんです。クランクイン(撮影開始)で初めてこの衣装に袖を通したときは、思わず身が引き締まるといいますか、背筋が自然に伸びていました。

――ムラホシ隊長のユニフォームは他の隊員たちと細部のカラーリングが違っていて、特別感がありますね。

そうなんです! わりと撮影も後半になって、隊員のみんなから「隊長だけ色が違いますね」と言われて、僕が「えっ、どこが?」って教えてもらいました(笑)。周りのスタッフさんたちは知っていたのに、僕らが気づくまで何も言わずにいたみたいなんです。そういうところが粋だなと思いました。

――ムラホシ隊長は、リュウモン(演:大地伸永)イチカ(演:村山優香)が訓練生だったころ、訓練学校の校長を務めていました。ウルトラマンシリーズの作品がたくさんある中で、ここまで理知的で穏やかな隊長像は珍しいのではないかと思います。ムラホシ隊長を演じるにあたって、どんなところに重点を置かれましたか。

令和の時代における「理想的な上司」とは何か、というのを強く意識しました。若い隊員たちと接するとき、役ではないところでも言葉をかける前にいろいろ考えてしまうんです。僕が彼らくらいの年齢だったころとはもう時代が違っているので、どういう態度を取れば「やる気」を出してくれるのか、注意するときも「傷つかない」言い方はないか、その一方で、あまり過保護になりすぎないようにとか、声のトーンとかに注意を払いながら演技をしました。基本、誰にでも敬語、丁寧語で接するので、優しく言いすぎると単なる「甘い人」になり、隊長ではなくなりますから。重要な指示を出す際は「~~してください!」と声を強めるようにしています。まっすぐ伝えなければならないときはしっかりと言う、でも圧がかからない音で……など、難しかったのですがひとつひとつの芝居を考えながら作っていきました。

――設定では「怒ると微笑みを浮かべながらメガネを外す」とあり、メガネがムラホシ隊長の重要なアイテムであることがわかります。黄川田さんは普段からメガネをかけていらっしゃるのですか。

僕は昔から視力がとてもよかったのでメガネをかける機会はありませんでした(笑)。「メガネを外す」がムラホシの怒りのサインだということを意識していて、どの場面で外し、どうかけ直すのかは各回の監督と話し合いながら決めていました。もっとメガネを小道具として用いた芝居をやってもよかったかな、と今にして思うことがあります。

――カナタ役の松本さんをはじめとするGUTS-SELECTのみなさんから「メンバーが全員そろっている撮影日が楽しくて仕方ない」というお話をうかがっています。隊長の黄川田さんから見たGUTS-SELECTの印象はいかがですか。

キャスト全員が「楽しい作品を作ろう」という同じゴールへ向かっているんですけど、それぞれが特に「ここを頑張りたい」「このシーンに賭けたい」というものを持っていて、誰かが誰かを助けたり、互いに支え合ったりしながら、みんなでよくしていこうという思いがすごく強かったように思います。本当にGUTS-SELECTのみんなは頼もしかったです。