家族や親戚、多くの友人を呼び盛大にお祝いをする……そんなイメージが先行しがちだった「結婚式」ですが、時代とともにいろいろな選択肢が増えてきました。コロナ禍をきっかけに、写真撮影のみの「フォト婚」や、親族だけで行う「家族婚」といった言葉を、よく耳にするようになったと感じる方も少なくないでしょう。

「昨今の結婚式においては、円安などの社会情勢があるなかで、費用を抑えたいという新郎新婦様が増えました。なるべくお得に式を挙げたい、そんなお客様が増えたように思います」

そう話すのは、ベスト-アニバーサリーの関東事業統括責任者であり、家族挙式の支配人を務めている込山拓也さん。ウエディング業界に入って11年目のプロフェッショナルです。

ベスト-アニバーサリーは、時代のニーズを先取りした、まだ世の中にない新しいウエディングスタイルを総合プロデュース業を展開。グループ会社ベストブライダルのゲストハウスやベストホスピタリティーネットワークが展開するインターナショナルホテルをはじめ、国内リゾートから海外まで、幅広い希望を叶えてくれることで知られています。

一口に「結婚式」といっても式のカタチは無数に存在すること、そしてお客様が思い描く式を作り上げるために大切にされていることを、今回は改めてお伺いしました。

  • ベスト-アニバーサリー 第一営業部 関東エリア 浜松町サロン 支配人 込山拓也さん

■一気通貫のプロデュースを

──最初に、込山さんの普段の業務内容を教えてください。

事業責任者として担当しているのは家族挙式事業で、これは全国を統括させていただいています。エリア責任者としては、国内、海外問わずすべてのプロデュースを統括している形ですね。最近は、プランナーのように直接的にお客様を接客する機会は減ってしまったのですが、統括していることもあって、より広い領域を見させていただいています。

──ベスト-アニバーサリーさんの特徴はどんなところでしょうか?

一気通貫というところが一番の特徴だと思います。通常の式場ですと、衣装や音響、写真など、提携会社があることが多いかと思いますが、ベスト-アニバーサリーは、すべて自社スタッフのみで完結します。外注なしですべてのプロデュースができるというところが強みですね。それによって、横の繋がりが強く、意思疎通がしやすい環境になっています。

  • ベスト-アニバーサリー 東京グランドサロン外観

  • ドレスやアクセサリーの試着もサロン内で行っている

──外注費がかからないとなると、コストが抑えられるということでしょうか。

おっしゃる通りで、外注費がかからないぶんお客様に還元できるところも強みになっています。昨今、費用を抑えたいという新郎新婦様がとても増えました。お得に式を挙げたい、だけどクオリティは下げたくない……。ではどうしようか? となったときにこそ、我々の強みが生かされると思っています。

──お客様のニーズに幅広く応えられる体制をとられているのは、とても心強いですね。ですが、一般的には、まず最初に式場へ直接行かれる新郎新婦様が多いと思います。

そうですね。憧れの式場があるのであれば、その式場のフェアに行くことが一番早いと思いますので、もちろんそれが悪いとは思いません。

ベスト-アニバーサリーでは何か出来るかといいますと、“これくらいの価格帯だったらどういう式場が選べるんだろう? ”というような、些細な疑問にもお答えできること、そしてご提案できることです。まだ具体的に式のイメージが決まっていないお客様にも、ゆっくりご要望を聞いて、どんな式を挙げることができるのかをご説明をさせていただいています。

  • 些細な疑問でも気軽にスタッフに相談できることが魅力の一つ

──知識がなくても安心ですね。実際に、どんなきっかけでご来店されるお客様が多いのでしょうか?

広告を見て来てくださる方や、“少人数専門”や“家族挙式”というワードで検索して、来店されるお客様が多いです。

今では「家族挙式」も一般的なワードになっていますが、我々は10年ほど前から「家族挙式」事業を行なっていて、商標登録も取っているんです。コロナ禍ということもあったと思うのですが、ここ数年で圧倒的に「家族挙式」のニーズは増えました。

■家族挙式が増えた理由

──家族挙式のニーズ増加の裏には、どんな理由があると思いますか?

リモートワークが増え、会社での人間関係が希薄になっていることが一つの要因になっているのではないかと思います。あまり顔を合わせる機会がない相手を呼ぶのは失礼になってしまうのではないか、と悩まれる新郎新婦様は多いですね。そんな思いから、本当に親しい友人、または、ご家族の方だけで結婚式を挙げたいという方が増えたのかなと。

そんな変化に合わせて、ウエディング業界全体でも、少人数での結婚式という商品が増えてきました。少人数、家族のみ、お二人のみなど、結婚式の形が増えたのは、コロナ禍での大きな変化だと思います。

──結婚式の内容についてはどうですか? こんなところを重視されるお客様が増えた、など。

ゲストへのおもてなしを重視される方が増えましたね。具体的な例を挙げると、お料理の単価が上がっていることです。一体どこでおもてなしができるだろう? と考えた時、もっとも重視されるのがお料理です。ほかには、各テーブルをまわってお写真を撮る時間を長く設けるなども、増えたように思います。

素敵なお写真や動画を残したい、というところは少人数になったからと言って変わりません。ですが、「家族挙式」にフォーカスを当てて話しますと、ご家族の方とのシーンを増やしたいというお客様がとても増えました。

──込山さんが考える「家族挙式」の良さはどんなところでしょうか。

一般的な結婚式ですと、ご家族はホスト側に回ることが多いかと思います。お父様、お母様に向けられる時間は最後の謝辞くらいですが、家族挙式だと多くの時間を作ることができるのがいいところですね。ご家族の方と2時間ゆっくり昔を振り返る……という機会は、「家族挙式」くらいなのではないでしょうか。

ご結婚する新郎新婦様、その両家で思い出を共有することによって、お互いの家族が仲良くなる。我々は”家族と家族を繋ぐ”というコンセプトのもとに「家族挙式」を作らせていただいています。そこに生まれる絆を大切にしたいという思いを持って、日々ご接客をしていますね。

■結婚式を挙げる価値とは

──多くの結婚式を見てきた込山さんが考える、結婚式の魅力を教えてください。

個人的にですが、結婚式=高いというイメージが先行しているなかで、結婚式を挙げる意味や価値はなんだろう? と考える若い人が増えていると思うんです。もともと結婚式は、家と家を繋いでくれるもの。そして何より、新郎新婦のお二人のためにあると思っています。

そこで私たちにできることはなんだろう? と考えた時、この結婚式という文化はなくしたくないと強く思っています。この文化を残していきたい、それは価格がどうとかではなく、残すことが私たちの使命だと。なので、お二人が夫婦になることを発表し、認めてもらう大切なセレモニーは、この先もなくなってほしくないですね。

昔から、自分のために人が集まってくれる機会は結婚式がお葬式かとよく言われますが、本当にその通りだと思っていて、結婚式に集まってくれた人たちは、きっと一生の付き合いになると思いますし、お二人の人生にとって大切な人たちであるはずです。

──まだまだ不安定なご時世が続いています。結婚式について悩まれている方へ、最後にメッセージをお願いいたします。

金銭面やいろいろな外的要因があって悩まれているなかでも、結婚式に携わる人間として、やっぱり私は結婚式をぜひ挙げていただきたいと思っています。どんな形であっても思い出に残してほしいと思いますし、もし何かしらの不安面があるようでしたら、一度お問い合わせをいただければと思います。

ベスト-アニバーサリーならではのご案内を幅広くご用意してお待ちしておりますので、いつでもご相談に来ていただけたら嬉しいです。

(写真/曳野 若菜)