京都鉄道博物館は9日、JR四国のキハ185系「復刻国鉄色」の特別展示に合わせ、同車両の報道公開を行った。今回の特別展示は、JR四国の「『しおかぜ』『南風』運行開始50周年記念キャンペーン」第8弾として実施。12月20日まで展示予定となっている。

  • 京都鉄道博物館に展示されたキハ185系「復刻国鉄色」

キハ185系は、四国向けに導入する国鉄最後の特急形気動車として、1986(昭和61)年に登場。四国での運用を意識し、2両編成でも運行できることが最大の特徴といえる。車体はステンレス製となり、登場当初は緑色の帯が採用された。JR四国の発足後も製造は続いたが、帯色はJR四国のコーポレートカラーである水色に変更されている。

登場当初は特急「しおかぜ」「南風」を中心に活躍し、現在は特急「剣山」をはじめ、おもに徳島地区の列車で運用される。今年4月には、観光列車「伊予灘ものがたり」の2代目車両として、キハ185系を改造した3両編成が運行開始した。一部車両はJR九州に転属し、現在も活躍している。

今回公開されたキハ185系は、2017(平成29)年に開催された「四国デスティネーションキャンペーン」に合わせ、国鉄当時の塗装である緑色の帯を復刻した車両。京都鉄道博物館の本館1階「車両のしくみ / 車両工場エリア」にて、2両編成を1両ずつ切り離した状態で展示している。

  • キハ185系「復刻国鉄色」を1両ずつ展示。登場当初に使用された特急「南風」「しおかぜ」のヘッドマークが掲出された

  • ステンレス車体が特徴のキハ185系。サボが取り付けられる一方、行先方向幕はステッカーでの再現となった

ちなみに、緑色の帯は国鉄時代に社内で決定したが、その当時、JR四国のコーポレートカラーは決まっていなかったという。先に四国で活躍したキハ181系がクリーム色と赤色の組み合わせだったこともあり、気分を変える意味合いがあったのかもしれない。

報道公開では、キハ185系の登場当初に使用された特急「しおかぜ」「南風」のヘッドマークが掲出された。両列車ともJR四国発足後にデザインが大きく変わったため、懐かしさを感じさせる大変貴重なものに。「南風」のヘッドマークには、足摺岬で咲くつばきが大きく描かれている。

JR四国専務取締役鉄道事業本部長の長戸正二氏によれば、キハ185系は「現場から見るとコンピューターを使っていないため、使いやすい」とのこと。2両編成でも運用できるため、JR四国に適した車両であることに変わりはなく、今後も使用し続けていく方針を示した。

  • 国鉄時代に製造されたことを示す「日本国有鉄道」の銘板

  • キハ185系「復刻国鉄色」の特別展示に合わせ、グッズ販売も行われる

  • 個数限定で先行販売される「2000系TSE編成ペーパーキット」

特別展示の期間中、特急「しおかぜ」「南風」のヘッドマークは12月10・11・17・18日に掲出予定。12月11日までと12月17・18日の10時30分から16時まで、四国エリアのPRをはじめ、JR四国の鉄道やキャラクター等のグッズ販売も行われる。販売品の中に模型工房パーミル製「2000系TSE編成ペーパーキット」もあり、個数限定で先行販売するとのことだった。