クスッと笑える“誤訳”を集めた「おかしな英語 美術館」が、東京渋谷のギャラリーで開催されています。お店の看板や衣服、ポスターなど、日常にあふれる英語のなかには、「!?」となるような“間違い英語”も少なくありません。日本全国に実在する、そんな誤訳たちを作品にしたユニークな企画展をのぞいてきました。

主催しているのは、世界で累計5億ダウンロードを突破している無料語学アプリ「Duolingo」。日本で最も多く学ばれている外国語にも関わらず、日本人の9割が「英語に自信がない」と回答した調査結果をきっかけに、失敗を恐れたり間違いを恥じるのではなく、その失敗を称えて間違いも楽しむことで、楽しく英語を学ぶきっかけを提供したい、という思いからこの展示を企画したそうです。

  • 意味は間違っていないがテンションを間違えているパターン

たとえば、トイレによくある「きれいに使って頂きありがとうございます」という文言。このプレートに併記された英語「Please urinate with precision and elegance」は、直訳すると「小便は、上品かつ的確にお願いいたします」となってしまうのです。確かに間違ってはいないけど、伝えたかったニュアンスとは、きっとだいぶ違うんだろうな。

  • LとRの間違いは、実際ものすごくやりがち

あるいはこのTシャツにプリントされた「CRAP YOUR HANDS」。「手を叩いて、拍手して」、ライブやコンサートなんかでもよく聞くフレーズですよね。かと思いきや、意味は「手にうんこ」。CLAPとCRAP、痛恨のスペルミスです。

  • 「捨てないで」の対象が間違っている標識

ほかにも、公園や道路によくある「犬のフンを捨てないで」という注意書きが、「犬を捨てないで」になってしまっていたり、

  • ある単語を間違えたために、オシモな意味に変わってしまった

八百屋さんからのお願いが、「桃を、指で興奮させないでください」と、エッチな意味に変わってしまったり。

クスッと笑って鑑賞しつつ、自分でもやらかしそうな間違いなので身につまされますが、一体どうしてこんな英語になってしまったのでしょうか?

  • 「(ここは)危ないから入らないで」が、「(あなたは)危ないから入らないで」になっている注意書きを、公式キャラクターのDuo君が熱演中

「おそらく、自分で英語にした際に間違えたり、翻訳ツールを使って間違ったパターンもあると思います」と、Duolingo社の水谷さん。単純なスペルミスや、惜しい文法のミスがものすごい誤訳になってしまったものや、翻訳ツールに入力した際の日本語の同音異義語から、異なる意味になってしまったものなど、原因はさまざま。

  • 「ビュッフェを注文した人のみが、食べられてしまいます」

これらの誤訳は全て、SNSの投稿などから幅広く集めた実在するもの。それらをレプリカとして作品にすることで、「どうして、こうなった???」と間違いの原因を推察し、楽しみながら正しい英語表現を吸収できる展示になっています。

  • オリジナルトートバッグ、オリジナルTシャツ、ステッカー、マグネットが来場者500人にプレゼントされる

展示作品は全部で16点。期間中にDuolingo公式Twitterに「#おかしな英語美術館」をつけて、実在の“おかしな英語”の写真を投稿すると、選ばれた投稿が館内で展示されるキャンペーンも実施しているので、作品以外の生きた“おかしな英語”も鑑賞できそう。さらに来場者には先着500名でオリジナルグッズのプレゼントも。

英語学習者はもちろん、英語に苦手意識のある人も楽しめる工夫が詰まった展示会に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

■information
「おかしな英語 美術館 Museum of Wonky English」
期間:12月7日まで(11:00~19:00)
場所:UltraSuperNew Gallery(東京都渋谷区神宮前1丁目1−3)
入場無料