――話が変わりますが、吉本の先輩など、影響を受けた人はいますか?
吉田:最近でいうと、アインシュタインの河井ゆずるさんにすごくよくしていただいていて、飲みに連れて行ってもらって仕事の相談をすると「お前らは大丈夫や」みたいな一言をくれるのがすごくありがたいです。ゆずるさんに限らず、そう言ってくれる人がいて、吉本の先輩めっちゃ優しいなと思います。あとは、『めちゃイケ』(『めちゃ×2イケてるッ!』)に影響を受けてお笑いの世界を志しました。
――『めちゃイケ』のどんなところに影響を?
吉田:シンプルにかっこいいなと思ったんです。私は学校でも地味で目立たなかったですが、『めちゃイケ』みたいな華やかな世界に憧れていました。『めちゃイケ』を見ながら「なんでこの人たちは自分たち中心の世界があるんだろ?」と漠然と思って。それが徐々にお笑いとして理解するようになって、好きな仲間とそういうことができる世界はめっちゃいいな、というのがこの道を目指すきっかけになりました。
岡下:僕は大阪にいた頃、共演者が先輩芸人さんばかりの舞台でなかなか前に出られない時期が続きました。その先輩らが卒業するときに、ある人に「岡下は次のトキさんにならなあかんで」と言われたんです。藤崎マーケットのトキさんのことで、トキさんは平場もネタもめちゃくちゃ面白い。そのトキさんにならなあかんと言われてそこから「何でも一番をとりにいく」というルールを決めました。企画コーナーでも真っ先に手を挙げるようにしたら、平場でも前に出られるようになりました。トキさんはすごく意識していました。
――岡下さんが学生時代に影響を受けた番組は?
岡下:僕は、大阪で深夜にやっていた『吉本超合金』というバラエティです。FUJIWARAさんと2丁拳銃さんがやっていてめっちゃ人気番組で、放送当時、僕はまだ小学生5~6年生でした。兄貴がずっと録画していて、それを見てこの世界に入りたいと思いましたね。
――これから、というお二人ですが今後はどうなっていきたいですか?
岡下:この先、どれだけいろんなテレビ番組に出られるようになったとしても、漫才はやめたくないです。いつでも劇場には立ちたいです。
吉田:そうですね。この先バラエティとかいろんなチャンスがあるかもしれないですけど、まず一芸がないと、そっちもできない。軸のものは日々ちゃんと磨かないといけないとお互いの認識があります。その上で、映画に出てみたいです。せっかく芸能界に入ったんだから、特別なことをしたいです。
――映画とは例えばどのようなものに?
吉田:アクション映画です(即答)
岡下:絶対無理やん(笑)
吉田:装甲車に乗ってビル突っ込みたい。できれば『ワイルド・スピード』シリーズに出演したいですけど、おそらく次で終わっちゃうのでそれはムリで……でもドウェイン・ジョンソンと共演したいです。
――もう1つ質問させてください。世間的には男女のコンビというと恋愛感情が芽生えないのか……? と思うこともあると思います。そのあたりは、今後の可能性も含めていかがでしょうか?
岡下:これ、久しぶりに聞かれたな! コンビ結成のときよく聞かれましたね。最初は「絶対聞かれるから、返答考えておいたほうがいいよ」とよくアドバイスされました。
吉田:ほんまにないですし、相席スタートの山崎ケイちゃんに言われたのは、「男女コンビは、普通はちょっと、ぽくてもいい」と。例えば後輩の世間知らズとかは仲がすごくいいから、もしかしたらお互いほんまに可能性ゼロではないのか? と匂わせる。ケイちゃんは「THIS パンだけは何の匂いもしない。こんなドライなビジネスパートナー見たことない」と言っていました(笑)。
岡下:楽屋でも全然しゃべらないんですよ。僕が「ウェ~イ!」と騒いでいるのを、相方がチッ! と舌打ちしながら見ているのを周りも見ている(笑)
吉田:だから恋愛とかそういうの聞かれなくなりました。
――今後、『M-1』で上位進出して脚光を浴びたら、改めて聞かれるかもしれないですよ。
吉田:上位進出したら俳優とか行きます(即答)
岡下:おのおの。狙いをさだめて散ります(笑)!
岡下雅典(1986年8月13日生まれ、大阪府出身)と吉田結衣(1989年3月17日生まれ、大阪府出身)によるお笑いコンビ。吉本興業所属。それぞれ別のコンビを組んでいたが、2人とも2017年に解散。同年、『M-1グランプリ』をきっかけにユニット「THIS IS パン」を組み、3回戦進出。同年12月に正式にコンビを結成した。2018年4月より大阪から東京に進出し、現在は東京を拠点に活動している。