元乃木坂46の松村沙友理が地上波連ドラ初主演を務めるABCテレビ・テレビ朝日のドラマ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(ABCテレビ9日スタート毎週日曜23:55~、テレビ朝日8日スタート毎週土曜26:30~)。『推し武道』との愛称でアニメ化もされるなどの人気を誇る平尾アウリ氏の同名人気コミックを実写化する同作は、岡山県の地下アイドル“ChamJam(チャムジャム)”の人気最下位メンバーのために人生のすべてを捧げる熱狂的ファン・えりぴよの姿を描いたドルオタ青春コメディ。今回はえりぴよを演じる松村に、元アイドルだからこそ分かるオタクとの関係、原作ファン・二次元ファンとしての実写化への矜持、作品の魅力について話を聞いた。

  • 女優の松村沙友理 撮影:宮田浩史

    女優の松村沙友理 撮影:宮田浩史

■乃木坂46卒業後もアイドルの物語に関われる喜び

――松村さんはもともと原作を読まれていたとのことですが、今回のオファーを受けたときの心境を教えてください。

『推し武道』は乃木坂46時代に原作を読んでアニメも見ていたのですが、ファンの方の立場で描かれたストーリーに感動したのを覚えています。今回お話をいただいて、自分がアイドルを卒業してもアイドルの物語に関われることがすごくうれしかったですし、ご縁を感じました。

――人気作品の実写化で主演を務めることへのプレッシャーはありましたか。

お話をいただいたときは、好きな作品だったので単純にうれしいという気持ちでしたが、情報解禁されたときに周囲の反応がすごく大きくて、そのとき初めて「私はとても大変なことをしている」と実感しました。原作が好きな皆さんの思いや「アニメがすごく良かったからドラマも期待したい」という声を見て「頑張らなきゃいけないな」と気合いが入りました。

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■ファンの方の気持ちや立場大事に演じたい

――元アイドルとして推される立場だった松村さんだからこそ、共感・理解できるポイントはありますか。

アイドルを10年近くやってきた経験があるので、登場人物の心情をよりリアルに感じられたり、1つひとつの台詞を深く考えることができるのではないかと思っています。ファンの方の気持ちや立場を大切にしたいです。

――アイドル時代に感じた気持ちが、お芝居にも反映されたりするのでしょうか。

していますね。台詞1つとっても薄いものにしたくなくて、込められた意味をしっかり伝えたいなと思います。握手会のシーンでは私が実際にファンの方から言われたことのある台詞もあって、リアルだなと感じる分、自分が違和感を感じたら意見を言ったり相談するようにしています。たとえば、ファンとアイドルが話すシーンでフランクな様子で会話しているところがあったんですけど、私が実際に同じような会話をファンの方としたとき、ファンの方は泣きながら話していたんです。だから劇中でも軽い雰囲気の台詞にしたくないと思って相談させていただきました。

――胸に残る台詞がたくさん登場する作品だと思いますが、印象に残った台詞を教えてください。

「人生で初めて胸がときめいたんだ」という台詞や「私は舞菜と出会って変わった。舞菜が私を変えてくれたんだよ」という台詞が私は大好きです。

――改めて『推し武道』の魅力や面白さをどんなところに感じていますか。

“ピュアな心”でしょうか。えりぴよをはじめ、オタクたちがとてもピュアじゃないですか。アイドルに限らず、純粋な気持ちで一生懸命応援しているオタクの熱量は見ていて気持ちがいいです。『推し武道』では悪いことを考えている人がいなくて、皆が純粋に自分の推しが幸せになることを考えている、そんな平和な世界観が魅力だと思います。