JR九州は11日、西九州新幹線武雄温泉~長崎間の開業(9月23日予定)に先立ち、西九州新幹線の車両基地(熊本総合車両所大村車両管理室)にてN700S「かもめ」全4編成(Y1~Y4編成)がそろった様子を報道関係者らに公開した。
西九州新幹線の車両N700S「かもめ」は、JR東海が営業投入しているN700S(16両編成)を短編成化して投入。普通車のみの6両編成で、外観は白をベースに、JR九州のコーポレートカラーである赤を配色したほか、毛筆の「かもめ」の書体やシンボルマーク、ロゴなどを配置した。
今年1月、日立製作所笠戸事業所で製作された第1編成を長崎県大村市の車両基地へ搬入。その後も3月に第2編成、6月に第3編成、8月に第4編成が車両基地へ搬入され、全4編成がそろった。西九州新幹線の開業後、車両基地に4編成ともいることはほぼないという。基本的に3編成で運用、残り1編成を予備とする一方で、臨時列車の運転日など4編成とも運用する場合があるとのことだった。
全4編成の「かもめ」がそろう貴重な機会となった今回、海側からY1編成、Y2編成、Y3編成、Y4編成の順に並べて撮影が行われた。担当者からは、撮影のために4編成中1編成を架線のない線路に置く必要があったとの説明も。全4編成が並ぶ姿を正面から撮影できたほか、車両基地内の事務所屋上からの撮影も行われた。
当日は晴天に恵まれたこともあり、車体の白さが際立って見えた。ただし、前日の報道関係者向け試乗会でも使用されたY2編成は屋根の汚れが目立ち、開業に向けて試運転等を重ねてきたことがうかがえる。Y3・Y4編成は搬入から日が浅いためか、屋根はきれいな状態だった。
この日は午前の報道公開に続き、午後に大村市民を対象とした車両基地の一般公開も開催。報道公開の終了後、一般公開で展示する編成以外を別の場所へ移動させる様子も見られた。報道公開は外観のみの撮影だったが、市民向けの一般公開では「かもめ」の車内見学も行われたという。