映画『百花』(9月9日公開)の大ヒット祈願イベントが23日に東京・浅草寺で行われ、菅田将暉、原田美枝子が登場した。

  • 左から菅田将暉、原田美枝子

    左から菅田将暉、原田美枝子

同作は川村元気による小説『百花』の実写化作で、川村自身が監督・脚本を手掛ける。レコード会社に勤務する葛西泉(菅田将暉)とピアノ教室を営む泉の母・百合子(原田美枝子)は、過去のある「事件」をきっかけに、わだかまりを感じながら時を過ごしていた。そんな中、不可解な言動をするようになる百合子が認知症だと診断される。その日から、泉は記憶を失っていく母と向き合うことになる。

菅田は母役の原田を行き帰りエスコート。浅草寺で行われた祈願に、菅田は「すごい気持ちがよかったです。なんだか物理的に音とか隙間を流れる風とか気持ちよさもあるんですけど、じーっと目を閉じて聞いてるとスーッと溶けてくような」と振り返り、「お祓いとかヒット祈願とかって結構気を張るし疲れるんですけど、全然疲れなかったですね。癒された感じがしました」と普段と違ったという。

ワンシーンワンカットと撮影については独特だったようで、原田は「大変でした。何秒間かを集中するのと、3分間~5分間を集中するのとは違って、単に芝居を埋めていくよりは奥にある香りのようなものを引き出すまでOKが出ないので、一体何を撮りたいんだろうというのが謎で、大変でしたけれども、監督が多くのものを映し出そうとしていると感じた時からは、だいぶ楽になりました。理解した、信頼関係ができた感じですね」と苦笑する。

撮影は1年前だったために、菅田は「1年越しのプロモーションで『菅田くんってそんな人だったんだね』と言われた時に、現場の時の集中力を感じた」と明かす。原田も「現場では私は百合子として菅田さんの泉を見ていて、菅田さんは泉として百合子を見ているので、そこからほとんど一歩も出てない感じで、普通の会話もほとんどなかったです。芝居が大変すぎて」と語る。「休憩だからって『いやあ、元気?』とかそういう軽い会話ができるような状態じゃなかったので、菅田さんがみんなをぎゅっとまとめるような大きさのある人なんだなというのをキャンペーンをやってる最中に気づいて『いい人だなあ、いい子だなあ』と。『良かった、この人と仕事して』と思ったんです」と言う原田。菅田は「撮影中にどんな人なんだろうって探ることもないので、よかったです。いい人って言ってもらえて」と安堵していた。