俳優の役所広司が、映画『ファミリア』(2023年1月6日公開)の主演を務めることが22日、明らかになった。

  • 映画『ファミリア』

    映画『ファミリア』

同作は山里に暮らす陶器職人の父・誠治(役所)と海外で活躍する息子・学(吉沢亮)、そして隣町の団地に住む在日ブラジル人青年・マルコスの3人を中心に国籍や育った環境や話す言葉などの違い、血のつながりを超えて強い絆で“家族”を作ろうとする姿を描いたオリジナル作品。『八日目の蝉』『ソロモンの偽証』『いのちの停車場』など、人間ドラマの名手の成島出が監督を務める。

主人公の誠治役の役所は、約10年ぶりの成島組への参加となり、息子の幸せを願う不器用な陶器職人を演じる。一流企業のプラントエンジニアとして赴任したアルジェリアで大切な女性と出会い、新しく家族をつくろうとする誠治の息子・学を吉沢亮が演じ、役所との初共演が実現した。

本作のキーとなる在日ブラジル人青年・マルコスを演じるのは、オーディションで選ばれた在日ブラジル人のサガエルカス。厳しい状況で生活をしながら、偶然出会った誠治に亡き父の面影を重ね、焼き物の仕事に興味を持ち、次第に誠治と心を通わせる難しい役を演技初挑戦ながら瑞々しく体現する。マルコスの恋人・エリカは同じくオーディションで選ばれたワケドファジレ。在日ブラジル人の国際的キャストに加え、静岡県の日系4世らのヒップホップグループGREEN KIDSも出演し、物語にリアリティを与える。

マルコスら在日ブラジル人を執拗に追いかける半グレのリーダー・榎本海斗をMIYAVI、地元のヤクザ・青木を松重豊、誠治が唯一心を許すことのできる友人の刑事・駒田隆を佐藤浩市が演じ、さらに中原丈雄、室井滋らも顔を揃えた。

役所広司 コメント

絶望に陥った者同士が偶然出会った時、生きてゆく希望を見つけるには何が必要なのか?
あるテロ事件をヒントに作り上げたこの物語で、成島監督が静と動を織り交ぜ問いかける人間ドラマです。
オーディションで出演が決まった演技経験のない若い俳優たちがとてもフレッシュで魅力的です。

吉沢亮 コメント

タイトル通り、孤独や絶望を抱えた人たちが必死にもがきながら、「家族」の形を探す物語です。
国際色豊かなキャストの皆さんの、とてもフィクションとは思えない、生々しくもキラキラしたお芝居が本当に素晴らしいです。
成島監督の演出の下、役所さんと親子役を演じ、貴重な時間を過ごさせて頂きました。
是非ご覧下さい。

成島出監督 コメント

プロット、シナリオともに、脚本家のいながきさんの身近にあるリアリズムで書かれた物語であることに惹かれました。愛知に暮らす陶器職人、在日ブラジル人、半グレ、そして北アフリカのテロ、全てがいながきさんの周りに実際に存在していて、私も『そこ』に行ってみたいと思いました。
役所さんとは、1994年、『大阪極道戦争しのいだれ』で脚本家デビュー、2003年『油断大敵』で監督デビュー、2011年『聯合艦隊司令長官山本五十六』と私の映画人生の大きな節目でご一緒させていただきました。常に進歩し続ける役所さんは私の大切な兄貴であり師匠です。もし役所さんとの出会いが無かったら私の監督人生はどうだったか。改めて考えるとゾッとします。 世界中で悲しい分断が起き続けている現在、自分にとって大切な人と共に生きられるということがどれだけ幸せで、奇跡なのか。この映画を観て感じていただけたら、と願っています。

(C)2022「ファミリア」製作委員会 映倫:PG12