お盆の時期、この世に帰ってくるご先祖様のために用意される「精霊馬(しょうりょううま)」。近ごろTwitter上で、生きた人が乗れる精霊馬が注目を集めていることをご存知ですか?

ナスときゅうりの巨大な精霊馬を制作したのは、美術家の飯野哲心さん(@iino_Te55hin)。遊び心あふれる作品が話題を呼び、画像を添付したツイートは1.6万件を超えるいいねを獲得しています。

乗れて100円で動くヤツです。 人が乗ってるの見たくて作りました。 #なかなか発売されないので作りました(@iino_Te55hinより引用)

  • (@iino_Te55hinより引用)

「精霊馬ムーバー」と名付けられたこの作品。ツイートに対するリプライには、「すごい! 」「オモロ~」「最高ですね」といった称賛の声が寄せられています。

また、反響の中には「これ、茄子の方がゆっくり走ったりするのですか?」「きゅうりとナスの乗り心地違うのかなぁ……」など、2体の乗り心地について興味を持つ方のコメントも。

そこで、精霊馬ムーバーを制作した飯野さんに、精霊馬の作品を作ったきっかけや、実際の乗り心地を伺いました。

ツイ主さんに聞いてみた

――こちらの精霊馬ムーバー、作られたきっかけは?

幼少期に祖父母からご先祖様が彼岸と此岸を行き来するための乗り物と聞いたことが、大人になっても気になっていたことです。また、お盆になると現れるシュールな動物たちに誰かが乗っている姿を見たいと思ったことから制作しました。

初めはただ跨るだけの木馬のような彫刻として制作していましたが、制作中に「コレは100円入れて動いたらもっと面白いのでは?」と思いヤフオクでサトちゃんムーバーを落札し、入手したムーバーからサトちゃんを外して組み替えました。

――乗り心地はいかがでしょうか。

そんなに激しい動きはしません。ご先祖様のことや自分の死後のことなどを想像しながら揺られる約90秒間を過ごせます。稼働元のマシンは同じはずなのですが、キュウリはスムーズに動きナスは少しカックンカックンします。ナスの方が難易度は高いかもしれません。

――大きな反響が寄せられております。

乗りたいという声も多くいただいています。「#なかなか発売されないので作りました」が、みんなも乗りたかったんだ! と実感しております。是非、現在福島県猪苗代町の「はじまりの美術館」で行われてる展覧会に乗りに来て欲しいですね。

――今回投稿された「精霊馬ムーバー」のほかにも、飯野さんはこんな作品も手掛けられています。


ちなみに、「精霊馬ムーバー」は、福島県猪苗代町「はじまりの美術館」で開催中の展覧会「あそビ―イング」で体験できるとのこと。会場には、学ランの少年をモチーフにした作品「ingotboy」や、上で紹介した「SUSHI」も展示されています。

あそビーイングの開催期間は10月2日まで。飯野さんの個性的な作品に心を引かれた方は、展覧会へ足を運んでみてはいかがでしょうか?