子役時代から伸びしろを感じさせる存在感を放ち、今や安定感のある若手女優に成長した桜田ひより。数々のドラマや映画に出演し、8月9日にスタートした『生き残った6人によると』(MBS:毎週火曜24:59~、TBS:毎週火曜25:28~)では主演に抜擢された。山本和音氏の人気コミックが原作のゾンビ×ラブコメディという斬新なドラマに、桜田はどう向き合ったのか。

  • 桜田ひより

舞台は突如パンデミックとなり、感染者がゾンビとなって街中にあふれかえっている日本。水上梨々(桜田ひより)はひょんなことから、年齢や職業の違う若い男女と、幕張のショッピングモールで籠城することに。若者たちは極限下で「こんな時だからこそ、恋がしたい!」と切実な想いを抱くが……。『真夜中乙女戦争』(22)の二宮健氏が監督・脚本を手掛け、桜田をはじめ、佐野玲於(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、中村ゆりか、倉悠貴、高石あかり(高ははしごだか)ら若手俳優陣が共演する。

――まずは、脚本を読んだ感想から聞かせてください。

初めて読んだ時は、なんて面白い作品なんだ! と思い、そこから熱が入りました。ゾンビというものは非日常的な感じがするので、現実味がないぶん、想像力をたくさん膨らませてドラマに挑もうと思いましたが、撮影はすごく楽しみでした。

――原作ものの実写化作品を演じるにあたり、気をつけることはありますか?

脚本にもよりますが、原作漫画やアニメなどを忠実に再現されている作品だと、容姿などの見た目からけっこう研究しますが、今回みたいにオリジナルのストーリーが入っている場合は、原作を参考にしつつも、あとは自分のフィーリングで演じることが多いです。私も漫画やアニメを観る方の気持ちはすごく理解できるので、必ず原作ファンの方が楽しめるようなポイントを作りたいなとも思います。

――本作での恋愛事情をどう思いましたか?

いろんな恋の矢印がありますが、限られた空間となると、その矢印の向きがけっこう変わるんだなと思いました。そこが楽しかったですし、現実味があるというか、人の心ってこんなにも簡単に変わってしまうんだと思う一方で、こんなに人を思い続けられるんだ! といった発見もありました。

――佐野さんたちと共演してみて印象的なエピソードがあれば教えてください。

みんなで一緒にフードコートで食事をするシーンがたくさんありましたが、みなさん、本当にすごく優しくて、面白い方ばかりで良かったです。生き残った6人を演じる俳優陣のなかで、なんと3人が同じ誕生日でした! まさに奇跡のようで、この作品やキャストとの出会いに運命を感じました。そのなかでも、高石あかりちゃんとは同い年で同じ誕生日だったんです。占いなどは統計学だったりするので、お互いに話してみると、びっくりするくらい共通点が多くて、すごいなあと思いました。

――特に印象深かった共演者の方は?

作品に入る前にリハーサルの本読みをしたのですが、その時に大貫勇輔(平坂亮役)さんが最初からすごく飛ばされていて、「うわ! 平坂キタ!」と圧倒されました。そこで一気に自分も梨々としてのスイッチが入った気がします。現場のいい流れを作ってくださったのは大貫さんだと感じ、平坂役が大貫さんで良かったなと思いました。

――もしも桜田さんがゾンビのいる世界に追い込まれたら「こんな時だからこそ恋がしたい」と思う気持ちになれますか?

私はそういう気にならないと思います(笑)。頼むから変なもめ事は起こさないで! と思っちゃうかもしれない。みんなで平和に暮らせたらいいなと思うし、そんなことより食料だ! となるのではないかと。梨々ちゃんが言っていることはすごく正しいなあと思いながら演じていましたが、実は彼女が一番恋愛体質なので、そこは自分と違うところでした。