――パンデミックで梨々たちは極限状態に追い込まれますが、桜田さんはそういう状況に陥った経験はありますか?

今回の現場は閉店後のショッピングモールでのロケだったので、家に帰るのは朝の9時ぐらいとなり、そこから寝て夕方の4時に起きるというサイクルでした。撮影中はあまり空腹にとらわれることがないのですが、帰ってきてから一気にお腹が空くので、睡眠をとるか、食事をとるかってことで、私の選択は睡眠でした。食べることは起きてからいつでもできますが、さすがに寝るのは家でしかできないので。また、寝ないと顔色が悪後なるので、寝たほうがいいかなと思いました。

――まさに極限の選択だったようですが、共演者の方々はいかがでしたか?

このドラマとは違う別のお仕事をされている方も多かったので、なんか大変そうだなと思っていました。みなさん、働き者ですね。でも、そんな過酷な撮影だったので、みなさんと仲良くなれた感覚がありました。

――生き残った住人たちの「恋がしたい」という気持ちは、避難所で生きるためのエネルギーになっていたと思いますが、桜田さんにとって普段生活しているうえでのエネルギー源は何ですか?

愛犬です。いなくなった時のことなんて考えられないですね。仕事がどれだけ大変でも、帰ってきて「おかえり」としっぽを振ってくれる姿を見ると、本当に疲れが吹き飛びますし、私が働くためのエネルギーになってくれています。

――子役からキャリアを積まれた桜田さんですが、これまで共演したなかで、影響を受けた先輩女優はどなたですか?

木村多江さんです。『24 JAPAN』(20)などで共演させてもらいましたが、かなり影響を受けています。女優としての多江さんもすごく素敵で尊敬できる部分がたくさんありますが、毎回現場に入ってくるお姿、衣装を着てない時の多江さんも本当に美しいです。よく車から降りてくる姿を拝見しましたが、いつ見てもきれいな格好をされていて、何よりも内面の美しさや芯の強さがにじみ出ているんです。

それはきっと、日頃から意識されているんだろうなと、勝手に解釈しています。だから私も、どんなに現場が大変でも、毎日10分くらいかけて洋服を選ぶようにしています。その時間がすごく好きで、気持ちが上向きになるというか、好きな洋服を着て仕事場に行くのが、仕事のモチベーションにつながったりします。

――視聴者の方々へメッセージをお願いします。

ゾンビとラブコメという異色の組み合わせの作品ですが、観てくださるみなさんがちょっとハラハラしたり、ドキドキしたり、キュンキュンしたり、ちょっと涙が出たりするような場面もたくさん出てくると思うので、1日の終わりの楽しいひと時に観ていただけたらいいなと思います。

■桜田ひより
2002年12月19日生まれ、千葉県出身。女優。連続ドラマ『明日、ママがいない』(14)で注目され、以降数多くのドラマや映画に出演。2017年にドラマ『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』で初主演し、同作の映画版でも主演を務める。劇場アニメ『薄暮』(19)では声優初挑戦ながら主演に抜擢。近作のドラマは『卒業タイムリミット』(22)や『彼女、お借りします』(22)など。近作の映画は『未来へのかたち』(21)や『ショコラの魔法』(21)、『おそ松さん』(22)など。

(C)「生き残った6人によると」製作委員会・MBS