ボーカルグループのゴスペラーズをモチーフにしたアニメ『アカペラ侍 ~ハモリ隊が江戸を救う!~』が、フジテレビの動画配信サービス・FODで配信されている。幕末の江戸の町にいた日本最古のアカペラを生み出した5人の侍「羽守隊(ハモリタイ)」が、美しい歌声で江戸の町の人々を救うというユニークなストーリーで、メンバーの村上てつや、黒沢薫、酒井雄二、北山陽一、安岡優が自ら声優を担当、もちろんその美声も披露している。

1994年にメジャーデビューし、長年にわたりアカペラというジャンルを盛り上げてきた彼ら。その中で意識してきたのは“新しい何かへの挑戦モード”だといい、今回のアニメも、そんなチャレンジのひとつだと語る――。

  • ゴスペラーズ(『アカペラ侍』第2話ゲストの小野大輔<右から3人目>とともに)

    ゴスペラーズ(『アカペラ侍』第2話ゲストの小野大輔<右から3人目>とともに)

■デビュー当時の自分たちを思い出すよう

――『アカペラ侍』のオファーを受けた際の心境は、いかがでしたか?

黒沢:昔から縁のあるプロデューサーからのお話でもあり、腹案は前から聞いていたので、実現してうれしかったですね。「本当にやってくれるんだ!」と。

北山:一瞬、何の話かわかりませんでした。「そんな贅沢なお話を頂けるの?」という気持ちと、「ほんとにそんなおいしい話ある? 受けていいの?」という気持ちです。ご恩ある方から頂いたお話だったので、僕の中では「ハイ」か「イエス」しかなかったんですけれども。

村上:ワクワクする企画だなと思いつつ、「我々が声優仕事をできるかな?」という期待と不安が入り混じる気持ちでした。

酒井:「えー、そんな無茶な冗談を……あれっ、ちょっと待って面白いかも」ですね。

安岡:ゴスペラーズだけではなく、アカペラが世間に周知される時代が来るとは! その上、侍? 江戸時代? 意味分かんないけど、面白そう。何よりデビューからずっと僕らをかわいがってくれているプロデューサーが脚本・演出。「あなた何やってるの! お偉いさんなのに、バカじゃないの、最高じゃん! やるやる、すぐやる!」という感じでした。

――ご自身がアニメ化されることについては、いかがでしょうか。

黒沢:とても昔に、『さかあがり。』という我々のDVDの中で、一瞬「ゴスペラーマン」というアニメになったことがあったり、NHK教育の食育アニメにゲスト出演したことはありますが、連作短編はもちろん初めて! なんでうれしかったですね。

北山:何気ない表情とか、歌っているときの癖とかまで再現していただいてうれしいやら、恥ずかしいやら。僕に関しては美化され過ぎだな、と思っています。

村上:お恥ずかしながら、ものすごく細かい我々の癖まで再現して、丁寧にアニメ化してくださったことに感銘しています。

酒井:自分よりも自分っぽい瞬間すらあります。自分探し、もはや要らないですね。

安岡:メンバー全員、若侍として描かれていて、ちょっとかわいい。デビュー当時の自分たちを思い出すようで、うれし恥ずかし。もっと続きが観たいです。

■TVerアニメ部門で1位「一生の思い出」

――歌唱と同じ「マイクに向かう」ことでも、やはり意識の違いはありますか?

酒井:「棒」と揶揄(やゆ)されたくない一心で頑張りました! 真面目な話をすると……声のお芝居を収録したのち、それに画を合わせてもらえる制作スタイルだったので、変に意識することなくやれました。歌は理想を追求しますが、声の演技は自然なリアクションを目指してやりました。

――豊永利行さん、小野大輔さんという共演された本職の声優さんの印象は、どうでしたか?

安岡:素晴らしい声優の皆さんの演技は、大変勉強になりました。息遣いで台本の文字に書かれていない感情を表現してて。「!」や「?」って、そうやるんだ、という発見がたくさんありました。歌を歌うときにも参考になる気付きでした。

――配信後の反響はいかがでしょうか?

北山:TVerでアニメ部門1位になったのは本当にびっくりしました。またそれが、ゴスペラーズ、ワンピース、コナンの並びだったので一生の思い出です。SNSでファンの方があの世界の町娘になったつもりで楽しんでくださったり、歴史資料を捏造してくださって、むちゃくちゃうれしくて楽しいです。舞台化とか映画化とか、僕らを新たな地へ連れて行ってくれるのではないかと、密かに期待しています。たとえば、たとえばですけど、各地に伝わるうたをアカペラでハモりまくる侍たちの諸国漫遊、見たくないですか?

――夢が膨らみますね!