住宅ローン比較サイト『モゲチェック』を運営する株式会社MFSが、8月の金利情報についてお伝えします。解説は、堀江勇介チーフアナリストです。

■8月の住宅ローン金利の動き

2022年8月の住宅ローン金利の情報をお知らせします。

金利競争の主戦場となっている変動金利は、依然として低金利が続いています。auじぶん銀行で0.2%台(最優遇)であるほか、新生銀行やPayPay銀行もひきつづき借り換え限定のキャンペーンを行っています。今月はソニー銀行が変動金利を引き下げる動きも見られました。

固定金利に関しては、フラット35が4ヶ月連続で最高値を更新(2017年の商品改定後基準)している状況です。長期金利(10年国債利回り)が低下した影響で、今月は10年固定金利がやや下がりましたが、傾向としては固定金利が高い状況が続いています。

このような現状のため、変動金利と固定金利(フラット35)の金利差は、今月も過去最大を更新しました。金利タイプをどちらにするかで毎月の返済額や総返済額に大きな差が生じますので、変動金利のご利用が引き続き優位な状況と考えられます。モゲチェックでは、今後も安定的に低金利が続くと予想される変動金利を推奨しています。

固定金利は長期金利(10年国債利回り)の影響で大きく変動します。長期金利は、金融大国アメリカでインフレ抑制のため、金融政策の引き締め(利上げ)が行われていることから、2021年末頃から上昇傾向が続いてきました。

最近の長期金利は、日銀が上限を設定している0.25%前後で推移しています。

やや複雑ですが、直近ではアメリカで続く利上げが将来の景気後退につながるだろうとの予想も出ており、利上げが継続する中で7月は長期金利がやや低下しました。

ただし現時点ではアメリカのインフレは収まっておらず、まだ利上げが続く可能性が高いことから、日本の長期金利は0.25%付近で高止まりし、結果として固定金利は高い水準で推移する可能性が高いとモゲチェックでは予想します。

<最近開始された変動金利のキャンペーン>

金融機関名 対象 キャンペーンによる引き下げ幅 キャンペーン適用後金利
auじぶん銀行(全期間引下げプラン) 新規借り入れ/借り換え 0.021% 0.289%(※1)
PayPay銀行(全期間引下型) 借り換え 0.050% 0.330%(※2)
新生銀行(パワースマート住宅ローン(変動金利(半年型)<変動フォーカス>)) 借り換え 0.100% 0.350%(※3)

※1:auじぶん銀行
【金利引下げキャンペーン】
期間:2022年6月1日(水)~2022年9月30日(金)
金利:変動金利(全期間引下げプラン)年0.289%
   固定35年(当初期間引下げプラン)年1.46%
※2022年7月現在の金利にau金利優遇割および金利引下げキャンペーンの金利引下幅を適用した金利であり、実際のお借入日の金利により変動します。
※審査の結果によっては、本金利プランおよび本キャンペーンをご利用いただけない場合がございます。

※2:PayPay銀行
【借り換え金利引き下げキャンペーン】
借り換え変動金利:0.380% → 0.330%
└期間:2022年7月1日(金)~9月30日(金)
└対象者:2022年9月12日(月)までに住宅ローン本審査を申込、2022年9月30日(金)までに変動金利での借換が完了したお客様

※3:新生銀行
キャンペーン適用条件
・お申込またはご契約を2022年6月20日(月)~2022年12月16日(金)、ご融資実行を2023年2月28日(火)までに行うこと。
・「変動金利(半年型)タイプ<変動フォーカス>」を選択された場合:当初借入金利から年0.1%引下げ。「変動金利(半年型)」もしくは「当初固定金利タイプ」を選択された場合:当初借入金利から年0.05%引下げ、さらに事務取扱手数料を55,000円割引き。

■住宅ローンインデックスの動きと変動・固定の金利差

下記の図は、主要なネット銀行、メガバンク、地方銀行の変動金利、メガバンクの10年固定金利、フラット35の金利をそれぞれ平均した、住宅ローン金利インデックスの動きを示したものです(住宅ローン金利インデックスは、複数の銀行の金利を平均化した指標です)。

変動金利が下落傾向であるのに対し、固定金利は高水準で推移しています。

変動金利と固定金利が逆方向に推移していることで、両者の金利差も拡大しています。

以下の図は、変動金利とフラット35の差を表したもので、金利差は過去最高の1.09%に達しました。

これは毎月返済額で約1.8万円、総返済額で約740万円もの差が生じるほどの大きな金利差です(借入総額3,500万円、35年返済の場合)。

これほど多額の返済をプラスしてヘッジするほどの大きな金利上昇リスクはないとの見方から、モゲチェックでは固定金利よりも変動金利を利用する方が有利な状況と考えています。

■【おすすめ/新規借り入れ】住宅ローンランキング

金融機関名 商品名 金利/年 特徴
[1位]auじぶん銀行 住宅ローン(変動金利/全期間引下げプラン)※金利引下げキャンペーン実施中 0.289% 低金利かつ充実した保障!
[2位]PayPay銀行 住宅ローン(変動金利/全期間引下型)がん50%保障 0.380% 無料でがん50%保障が付けられる!
[3位]ソニー銀行 変動セレクト住宅ローン(自己資金10%以上)がん50%保障 0.397% オリコン顧客満足度11年連続No.1!
[4位]住信SBIネット銀行 ネット専用住宅ローン(変動金利/通期引き下げプラン)全疾病保障 0.410% 働けなくなるリスクに備える!
[5位]みずほ銀行 ネット住宅ローン(変動金利)一般団信 0.375% 安心のメガバンクで業界最低水準の金利!