――ハードといえば、ホーリーライブにパワーアップした大二でも、変身を解除したら傷だらけ・血だらけになるんだとテレビシリーズを観ていて衝撃を受けました。

大二って、最初のエピソードではぜんぜん傷がつかなったんですよ。同じくらい激しく戦っていた兄ちゃん(一輝)はもうボロボロだったのに、なんで大二だけ傷がないんだろうって。受け身がうまいのかなとか思っていました(笑)。しかし最近になって、急に傷だらけになることが多く、演じている僕も衝撃を受けました。画面を観ていても大二が痛々しくて、心配になるくらいです。

――テレビシリーズではフェニックス長官の赤石とギフとの関係が明かされ、フェニックス組織そのものがほぼ崩壊状態になる中で、あえて大二は赤石と行動を共にしていました。赤石役の橋本じゅんさんはここ数年、その姿を観ない週がないと思えるくらい、多くのテレビドラマで活躍されている方ですね。

橋本さんは本当にお忙しい方なのに、『仮面ライダーリバイス』の赤石長官役にも熱心に取り組まれています。台本作りの段階で、プロデューサーを交えてご意見を出されているそうで、「このセリフ、こういう意味であれば変えてもいいか」など、現場でもいろいろ提案しながら芝居をされています。横で見ていても、熱い思いが伝わってくるんです。それだけに、橋本さんの芝居に全部持っていかれないため、大二としても頑張らないといけません。赤石長官のそばに立っている「モブのひとり」になってしまわないよう、存在感を出していくぞ、という思いでした。

――橋本さんから受けたアドバイスで印象に残っている言葉を教えてください。

たくさんあります。橋本さんは芝居の仕方について、行動で示してくださると同時に、ストレートに言葉として言ってくださるんです。印象的だったのは「芝居には正解がないし、お前の思ったことを表現すればいい」って言葉です。その一方で、僕がちょっと気の抜けた芝居をしたときに「お前、いまちゃんとやったのか?」と鋭く指摘をされたりします。橋本さんの言葉は厳しいのですが、スタッフさんからは「今どきあんなにしっかりしたこと言ってくれる人いないよ」って言われますし、気にかけてくださってるなと実感します。緊張感のある現場だからこそ、大二と赤石長官が2人でいるシーンが多くの方々の印象に残っているんじゃないか、と思っています。

――日向さんが大二およびカゲロウを演じたことにより、この1年で成長したと思えるのは、どんなところですか。

1年前と比べても、体力と根性がついてきたと感じます。だからこそ、今回の映画では大二の集大成をお見せしたい、という気持ちが強くあります。今まで培ってきた体力を、すべて使いきるほど、ハードな撮影でした。テレビシリーズと同時に撮っていることもあり、スケジュールが重なって、映画をやっているころはめちゃくちゃ大変だったんです。

――テレビのエピソードと映画が同時進行で、混乱したことはありますか。

ちょうどテレビでは大二が「闇堕ち」中で、一輝と戦ったりしていましたけど、映画だと三兄妹が力を合わせてますから「よし、兄ちゃん行こう!」なんて言ってたり(笑)。ちょっと混乱しましたけど、大二とカゲロウを演じ分けていた経験が活きて、それほど難しくはなかったです。テレビと切り離しても楽しめると思います。

――劇場版で披露される戦闘服は、肩が露出しているなどワイルドな印象を受けますね。

素肌が出ているので、ちょっとしたアクションで擦り傷になってしまったり、けっこう苦労しましたが、迫力は出ているんじゃないでしょうか。劇中で激しい拷問を受けるのですが、汗だくになるカットではベビーオイルを塗って、凄惨なイメージを強調していました。オイルは坂本監督が好んで使われると聞きました。坂本組の洗礼を受けた気分です(笑)。 

――大二ファンおよび『仮面ライダーリバイス』ファンの方からの反響は、どんなところで受け止められますか。

SNSでの感想とか、トークイベントで『仮面ライダーリバイス』がたくさんの人たちに愛されているのを実感しています。あと、撮影現場に小さな男の子が見学に来ていたことがあって、そのとき大二は攻撃を受けてボロボロの状態だったんですけど、その子が「大二がんばれ!!」って声をかけてくれたんです。そのとき、こういう子たちが『仮面ライダーリバイス』を応援してくれているんだなあ、よしこれからも頑張ろう!と奮起しました。改めて、子どもたちの憧れとなるヒーローを演じる自覚が強まりましたね。

――いよいよ公開される映画について、日向さんから見どころを教えてください。

テレビではしばらく五十嵐三兄妹の同時変身や共闘がありませんでしたが、映画では仮面ライダーリバイス、仮面ライダーライブ、仮面ライダージャンヌがそろって強敵と戦います。テレビとはひと味違う大二がお見せできると思いますし、大二特有の戦闘シーンをお楽しみいただきたいです。僕自身、1年間『仮面ライダーリバイス』に出演して、顔つきが変わったとか、たくましくなったとよく言われますし、少し身長も伸びました。見た目の変化と共に、内面から出る雰囲気や芝居の仕方なども変化を感じていただけるよう、精一杯がんばりました。ケイン・コスギさんと拳ちゃん(前田)の一騎打ちもすごいことになっているので、ぜひ映画館で坂本監督のアクション演出を堪能してください!