俳優の稲垣吾郎が主演を務める映画『窓辺にて』(11月公開)の追加キャストが5日に発表され、中村ゆり、玉城ティナ、若葉竜也、志田未来、佐々木詩音の出演が明らかになった。

  • 『窓辺にて』追加キャスト発表

本作は、『愛がなんだ』『街の上で』などの今泉力哉監督にとって17作目となる完全オリジナル作品で、今泉ワールドの特徴でもある等身大の恋愛模様に加え、これまで以上に好きという感情そのものについて深く掘り下げて描き切った、美しい大人のラブストーリー。その今泉監督作に初参加するのが、『半世界』『クソ野郎と美しき世界』などで斬新な役柄に挑んできた稲垣吾郎で、妻について「ある悩み」を持つフリーライター・市川茂巳を演じる。

このたび追加キャストが発表され、市川の妻・紗衣役に、『母性』の公開が控える中村ゆり、高校生作家・久保留亜役に『ホリック xxxHOLiC』など多数の話題作に引っ張りだこの玉城ティナ、市川の友人でプロスポーツ選手の有坂正嗣役に今泉監督作の常連で『街の上で』で主演を務めた若葉竜也、有坂の妻・ゆきの役に幅広い役柄でキャラクターを演じ分ける志田未来、そして紗衣と浮気している売れっ子小説家・荒川円役に若手俳優の佐々木詩音が抜擢された。個性的な俳優陣が今泉組に集結し、濃密でほろ苦い愛についての群像劇を繰り広げる。

さらに、映画『空のレストラン』の主題歌などを担当したスカートが主題歌を手掛けることが発表された。ノスタルジー溢れる温かなポップスが鑑賞後感を特別なものにする。劇伴は、抒情派エレクトロ・ダブ・バンドの、あらかじめ決められた恋人たちへの池永正二が担当した。

追加キャスト5人がコメントを寄せた。

■中村ゆり

稲垣さんとは、撮影中コミュニケーションを取れるような時間も余りなかったのですが、夫婦役としてお芝居で対峙した時に、物凄く繊細に丁寧にお芝居を受け取ってくださるので、予期せず心揺さぶられている瞬間が何度もありました。映画の中で、ご自身も苦悩する人物でありながら、色んな登場人物の想いを受け止めて寄り添う主人公を本当に魅力的に演じていらっしゃり、私も心が癒される想いでした。
そして、今泉監督の作品は以前から拝見しているのですが、人間に対する洞察力が鋭い上に、登場人物たちの欠落している部分に対しても「大丈夫だよ」と言ってくれているような優しさを作品に感じていました。
今作でも人間の、簡単には表せない心の機微を繊細に描いている素晴らしい脚本に、初見から共感し、感動しました。この映画で今泉作品に参加できた事を本当に嬉しく思っています。

■玉城ティナ

久保留亜、はとても素直でいじらしく子供っぽい部分もありながら、他の人にはできないような事を平気でやってのける、自分をきちんと見据えて生きている子です。
そして稲垣吾郎さん演じる市川茂巳さんは、留亜の輝きと幼さを近くで眺めてくれ、区別をせず言葉を選ばず会話をしてくれるとても大切な大人でした。撮影中は、稲垣さんとのシーンがとても多く、今泉組らしい台詞の多さに圧倒されながら、一日一日をどうにか置いていかれないように必死に過ごしていました。監督と稲垣さんで作り上げられていた世界観に、適切な形で入り込まねば、と固くなっていた時もありましたが、稲垣さんとかわす会話であったり、監督を信じる事で、どうにか留亜としての時間を保つ事ができました。今泉組のオファーを頂いた時は不安もありましたが、今は早く観てもらいたい気持ちでいっぱいです。

■若葉竜也

撮影中は『こいついいやつだなぁ。』『素直だなぁ』と思いながら演じてたはずなのに...完成版みたらめちゃくちゃクズでした。
不思議体験しました。

■志田未来

包み込んでくださるような優しさで導いてくださった今泉監督。
今作でご一緒させていただけた事をとても嬉しく光栄に思いました。
私が演じさせていただいたゆきのは、妻として母として、何が正しいのかしっかりと区別できる地に足がついた女性です。ゆきのの覚悟や強さが皆様に伝わればと思って演じました。
日常の一部を切り取ったような画を通して、普段、気づくことのできない人間の本質に気づかされる作品になっていると思います。また、その本質に気づいても前に進むことを躊躇してしまうこともありますが、一歩踏み出すことで、また新しい自分に出会えることも作品を通して教えていただきました。

■佐々木詩音

ある日突然、今泉監督から連絡が来ました。僕の Twitter で昔に投稿した、殴り書きの日記のようなものを見て、連絡を下さりました。「あなたにならこの役が務まるんじゃないかと思っています」と。脚本を読んでみて、自分に荒川円という人間の葛藤を表現出来るか、とても悩みましたが、僕を信頼して声を掛けて下さった今泉監督を信じようと心に決めました。普遍的なようでありながら、誰しもが理解できる感情ではないもの、と同時に誰しもが共感できる感情を、本作品は描いていると思います。是非劇場で楽しんで頂ければ幸いです。

(C)2022「窓辺にて」製作委員会