のちに暢子は高校卒業とともに故郷を離れ、沖縄出身者が多い横浜市鶴見へと旅立つことに。取材した時点で、すでに鶴見編の収録も始まっていたが、東京出身の竜星は、沖縄ロケを経て大いに沖縄に感化されたようだ。

「沖縄では沖縄ことばを話すので、沖縄出身の役を演じている人たちと集まるとほっこりします。逆に東京の人たちが多い現場になると、何か言葉の壁というか、東京の冷たさみたいなものを感じるんです。沖縄出身の人たちが東京へ行って、ちょっと冷たく感じるというのはこういうことかなと、お芝居を通して感じました」

もともと役によってがらりと印象が変わるカメレオン俳優とも言われている竜星だが、今やすっかり沖縄男児となった印象を受ける。何かとトラブルを起こし、愛される問題児となっていくであろう賢秀だが、視聴者の反響を予想してもらうと竜星は「嫌われるか好かれるかどっちかでしょうね」と笑う。

「小林プロデューサーも、脚本上ではすごく憎まれるようなニーニーなんだけれど、僕がやるとすごくチャーミングに愛くるしくなると言ってくださったので、皆さんがどう観てくれるのかが楽しみです。ハチャメチャなことをやっていくので、ハチャメチャな意見もいっぱいもらえればうれしいかなと」

これまで撮影したなかでの印象的なシーンについて聞くと「基本的に、僕が出ている時は、どのシーンもわりとハチャメチャになっています」と宣言する。

「特に家族とのシーンでは、僕自身もエネルギーがマックス状態となり、ショートしたりもしますが、それぐらい熱量があるシーンは演じていて楽しいです。家族全員でキャッチボールができるし、人数が多くて大変ですが、その分、気持ちが揺れ動くので。だからこそアドリブも増え、きっと使われないだろうなと思いながらアドリブをいっぱいしています(笑)」と充実感いっぱいの笑顔を見せてくれた。

■竜星涼(りゅうせい・りょう)
1993年3月24日生まれ、東京都出身。2010年にドラマ『素直になれなくて』でデビュー。2013年、スーパー戦隊シリーズ『獣電戦隊キョウリュウジャー』で初主演を務め人気を博す。映画の主な出演作は『orange』(15)、『22年目の告白-私が殺人犯です-』(17)、『先生!、、、好きになってもいいですか?』(17)、『ぐらんぶる』(20)、『弱虫ペダル』(20)、『リスタートはただいまのあとで』(20)など。近年の主なドラマ出演作は『ひよっこ』(17)、『アンナチュラル』(18)、『昭和元禄落語心中』(18)、『同期のサクラ』(19)、『テセウスの船』(20)、『家、ついて行ってイイですか?』(21)など。

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