――歴代仮面ライダーで主演を務めた俳優の方々が出演することも見どころですね。

当時はお芝居が初めてという子たちばかりだったので、今はどっしり感というか安定感というか、すごく貫禄が増していました。中でも佐野岳は歴代ライダーの中でもずば抜けて身体能力が高いので、相変わらず身のこなしが軽いなという印象を受けましたね。井上正大は、仮面ライダーを終えたあとにテコンドーをやり始めたらしくて、当時はすごく体が硬かったのに、脚が上がるようになってアクションのスタイルが変わっていたことに驚きました。

――ヒロインの玲実を演じる渡邉美穂さんとはどのようなやりとりをされていましたか。

親子みたいな年の差で、実際に息子と同じくらいの年齢なんです。なので、娘がいたらこんな感じだったのかなって思いながら共演していました。現場でも何を話したらいいのかわからなかったのですが、彼女のほうから笑顔で話しかけてくれていました。完全に中年のおっさんが若い子にドギマギしちゃっている、劇中そのままの感じですね。

――ほかにも共演者で並ぶお名前が興味深いです。メタルヒーローシリーズの多くで主役を務めた横山一敏さん、今井靖彦さんは同期なんですね。

JAE、当時はJACでしたが、その時から一緒でした。それぞれに舞台や特撮など、違う方面で活動していて、一緒にやるのは十数年ぶりです。それでも年に一回は会って食事をするなどはしていました。

――中村浩二さんとの共演も久しぶりなのではないでしょうか。

『仮面ライダーW』の劇場版『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』(2010年)の共演が初対面で、それ以来になります。当時の映画も坂本監督だったので、当時を思い出して楽しかったですね。

――台本を拝見して、ト書きに「キレキレのオタ芸」と書かれていたのですが、いつものヒーロー然とした高岩さんの姿からは想像が難しいですね。

振付師の方から動画をいただいたので練習しようと思ったのですが、実際に教えてもらわないと無理でした。教えていただいてやってみたのですが、これは本当にヤバいな、アクションのほうがよっぽどやりやすいなと思いました。カットがかかるたびに頭がクラクラしてしまってしんどかったですね。やっている方は本当にすごいと思いました。

――あらためて、『グッドモーニング、眠れる獅子』の見どころは?

オタ芸ですかね……ウソですウソです(笑)。でも、オタ芸からクランクインしたので、その印象が強いんですよ。あえて挙げるなら、アクションです。くたびれたおっさんが一生懸命戦っている姿を見てほしいですね。