2019年12月21日から公開される「仮面ライダー冬映画」は、令和最初のライダー『仮面ライダーゼロワン』と、平成最後のライダー『仮面ライダージオウ』が豪華競演を果たすメモリアルな作品となった。『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』と題された本作は、AIと人類の共存をテーマにした『ゼロワン』と、時空を自在に飛び越えて歴史を変える敵と戦う『ジオウ』を融合させ「ヒューマギアが人類に反旗を翻す」という"もしも"の世界が描かれているという。

  • 砂川脩弥(すながわ・しゅうや)。1994年生まれ。沖縄県出身。2015年にGirlsAward × avex『BoysAward Audition』BoysAward賞を受賞。俳優グループ「イケ家!」に所属し、舞台『KEIJI』(2017年)などに出演。身長180cm。特技はバレーボール。撮影:大塚素久(SYASYA)

『ゼロワン』では、人々の生活に役立てるように作られたヒューマギアを恐怖の破壊ロボットに変貌させるテロリスト「滅亡迅雷.net」が人類の脅威として暗躍しており、その中でリーダーシップを執るのが「滅(ほろび)」である。滅亡迅雷フォースライザーとプログライズキーを用いて「仮面ライダー滅」に変身するなど、ゼロワンに匹敵する実力を備えた強敵・滅は、今回の映画ではどのような戦いを行うのだろうか。ここでは滅を演じる砂川脩弥にインタビューを行い、テレビシリーズが放送開始してからの周囲の反響や、クールな滅の演じ方、そして映画の見どころをぞんぶんに語ってもらった。

――テレビシリーズの第1回から、善良なヒューマギアを次々と人類抹殺の刺客に変えている恐ろしい滅亡迅雷.netの「滅」と「迅」ですが、今回の冬映画の台本を読まれたときはどのように思われましたか?

いつもの『ゼロワン』のストーリーとは一味違った世界なので、最初に台本を読んだときは複雑な部分が理解できませんでした。でも何回か読み込んでいくうち、こうやってジオウとゼロワンを絡めるのかと感心し、とても面白いストーリーだと感じました。

――通常の『ゼロワン』世界の歴史が変わり、ヒューマギアが世界を支配しているという設定だそうですが、そこでの滅亡迅雷.netのお2人はどんな立ち位置になっているのでしょうか。

ヒューマギアに地上を制圧され、人類が地下シェルターに隠れている設定なので、滅と迅はテレビシリーズで言うところの「A.I.M.S.」のような役割を担う存在となります。ヒューマギアを守って外敵と戦う「警察」のようなポジションです。不破諫(演:岡田龍太郎)っぽい言い方をすれば「人間をぶっ潰す!」という感じですね(笑)。

――『仮面ライダージオウ』の存在や、物語展開はご存じでしたか?

もちろん知っていました。『ジオウ』では歴史改変によって常磐ソウゴ(演:奥野壮)とは別の王を擁立しようと企むタイムジャッカーが出てきましたが、今回の映画にも生駒里奈さん演じるタイムジャッカー・フィーニスが登場し、『ゼロワン』の歴史を"あるポイント"から変えていくんです。歴史を改変することにより、飛電或人(演:高橋文哉)の側=人類側がヒューマギアの軍団に追い詰められていく……というストーリーの発想が凄いと思いました。

――いつもは声のトーンを落として、冷酷な雰囲気を醸し出している滅ですが、世界が変わったことによって砂川さんの演じ方も変わったりしましたか。

演じ方についてはテレビシリーズと同じでしたね。僕だけでなく、迅を演じる中川大輔くんのほうも変化はありません。変わったところといえば、僕たちの衣裳がガラリと変わりました。そのため、見た目の印象が違ってくるかもしれません。テレビシリーズの滅亡迅雷.netはテロリストなので、ツギハギのような服装をしていますが、映画ではヒューマギアを守る存在ということで、スタイリッシュな格好になっています。

――砂川さんとしては、いつもの滅の衣裳と映画の衣裳では、どちらが好みですか?

どちらもカッコいいと思います。テレビシリーズの衣裳合わせのとき、滅の衣服を着てみてあまりのカッコよさに惚れ惚れしてしまいましたし、逆に小ぎれいになった映画での滅の衣裳もすばらしいと思いました。滅亡迅雷.netのキャラクターがみなさんからご好評いただいているのは「衣裳の力」が大きいんじゃないかと思っています。

――やはり砂川さんや中川さんの魅力が何より大きいですよ。映画ならではの滅の注目ポイントなどはありますか?

滅の「アクション」シーンがあるんです。テレビシリーズでは迅のほうがアクティブに行動していますけど、滅は暗い部屋の中で指示を出していることが多いでしょう。でも映画では、テレビでは見られないような動きを滅がやっていますので、そこはぜひチェックしてもらいたいですね。「あっ、滅が素早く動いてる!」と驚かれるかもしれません(笑)。さっき映画の滅はヒューマギアを守って戦う存在だと言いましたが、実際にも人間側の攻撃からヒューマギアを「守る」動作もやっているんですよ。ほんの一瞬の動きなので、どこで出てくるか画面をしっかりと見守っていてほしいです。